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人類婚姻制度 史的総括 その1

人類にとっての婚姻様式とは、そのまま集団の在り様を決定する最基底部の規範であり、最も根源的な男女の活力源を規程するものである。

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それ故に、世界中を見渡せば未だ多様な婚姻様式が存在しており、それが各集団の置かれた外圧状況に応じて適応的であるが故に、長い間集団の紐帯を保つものとして維持され続けている。

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しかし、昨今の一対婚(私有婚)制度をベースとした先進国、特にこの日本においては、既にこの制度が適応的であるとは言い難い状況を呈しており、離婚・晩婚の増加は元より、男女の性そのものにまで衰弱が見られるという危機的状況に直面している。

危機的とまで言うとやや大袈裟なようにも聞こえるが、男女関係とは本来最も互いに充足を深められる関係である。このまま性の衰弱に引きづられ、充足可能性を見出せないとなると、活力も下がる一方である事は間違いなく、やはり改善すべき重要な課題として真正面から捉えて行きたい。

日本における法制度としての一対婚の歴史は予想以上に浅く、遡る事たった200年程度のものでしかない。

つまり、西洋の略奪婚を起源とする私権制度(私婚制度)を導入し、それまで存在していた村落共同体の婚姻規範を強制的に解体して来た結果が、現状の侘しい(中身の無い)男女関係 を生み出した起点であり、現行の制度は日本の風土には表面的には馴染んだものの、根本的に適応的・充足可能な男女関係とは成り得なかった、という事をそろそろ素直に認める時期ではないかとも想われる。

そこで、改めて現行の一対婚制度の抱える諸問題とその原因とを明らかにし、それらの根本原因を元に男女の性の再生、活力の再生を齎しうる規範とはどの様なものか?という仮説を提起してみたい。

まず、人類史における各時代・生産様式ごとの婚姻様式を大きく分類すると、概ね以下の様式に分類される。

1.極限時代:ボス集中婚(猿時代の継承)

2.狩猟・牧畜時代:ボス集中婚⇒勇士婚(婿入り婚・嫁取り婚)
  ※遊牧⇒父系制転換の起点

3.漁猟・採取時代:総遇婚(兄弟婚・交叉婚):母系制維持

4.私権時代:略奪婚、私有婚、一対婚(お見合い婚・恋愛婚)

5.本源時代(未来社会): ??婚 🙄

※婚姻史に興味のある方は、るいネット・便利データサイト [1]のリンクに世界の多様な婚姻形態がまとめられた資料があるので、是非ご一読を。

『婚姻論』付 世界の各部族の婚姻形態 [2]   オススメです!

るいネット [3]
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さて、各地域ごとの婚姻様式を詳細に見れば、まだまだ細分化する事は十分に可能だが、ここでは大きくそれぞれの集団が外圧に対しどのように適応していたか?に着目し、各婚姻様式に見られる長所・短所を抽出してみたい。

また、その上で各婚姻様式の中から、現代(近未来)でも適用可能な規範、あるいは継承すべき規範を抽出し、今後想定し得る外圧に対し、より適応的な婚姻規範というものを仮定してみたい。

集団を取り巻く外圧を抑える事は重要で、それを皆の共通の課題として捉えているからこそ、その中で規範が共認され、多様な婚姻制度が作られてきたという歴史的事実に注目する必要がある。

単に価値観だけで良し悪しを議論しても全く意味が無く、どの時代・どの様式でも、規範の背後には『みんなが充足できる可能性』が存在しており、誰もが充足可能性を追求しているからこそ、規範が共認されて行ったのだと思われる。

上記に挙げた分類ごとに、それぞれの外圧と充足規範の内容を抽出し、今後の社会においても適用可能なものを整理してみます。

期待の一押し をお願いします。

次回は、それらの分析結果と可能性の提示を行う予定です。お楽しみに!

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