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本当の「学力」って何?

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画像はこちら [1]からお借りしました :love:

最近マスコミをにぎわせている事業仕分け。連日その中身についてあれこれと議論がされていますが、学力テストの実施方法についても扱われました。

そもそも「学力」とは何なのでしょうか?ペーパーテストの点数なのでしょうか!?

この疑問に対していいブログがあったので、ご紹介します。

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『内田樹の研究室』 [2]より転載 
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学力テストについて07年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)と1964年度の全国テストを社会環境を加えて分析したところ、学力を左右する要因として離婚率・持ち家率・不登校率の3指標の比重が高まっていることが、大阪大などの研究グループの調査でわかった。いずれも、家庭、地域、学校での人間関係の緊密さに関する指標で、研究チームは「年収などの経済的要因よりも、人間関係の『つながり格差』が学力を左右する傾向にある」と指摘。(毎日新聞、11月17日朝刊)

ひさしく「学力格差は経済格差」であると言われてきた。
金持ちの子どもは「教育投資」額が貧乏人の子どもよりも大であるので、学力が高いというのである。
この「要するにすべては金の問題だ」という薄っぺらなリアリズムに過去20年ほど私たちの教育論は振り回されてきた。

~中略~

今回の統計によって、「学力格差は経済格差である」というこれまで信じられてきたテーゼの根拠が失われた。</span>今回の研究によれば、学力格差は「学ぶ意欲」(インセンティヴ)の格差であり、それは親族・地域・学校という場への定着度に相関する。さまざまな「しがらみ」のネットワークの中に絡めとられているせいで、自己利益の追求ばかりでなく、同時に帰属集団の公共的な福利をも配慮しなければならない子どもたちは学力が高い。
というのは当たり前で、さまざまな集団のステイクホルダーであり、そのつどふるまい方や話し方を適切にシフトしなければならないという条件があれば、子どもは成熟せざるを得ないからである。
そして、「学ぶ力」というのは、まさに「成熟しなければならない」という内圧の同義語なのである。
「学ぶ力」は成熟への意欲と相関する。
成熟への意欲は、子どもが多様な集団において、そのつど適切な役割を演じることの必要性と相関する。
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ここで言うように本来「学ぶ力」とは、ペーパーテストに表れてくるような数字ではなく、「現実に適応できる能力を身に付けていく力」なんです。

>それは親族・地域・学校という場への定着度に相関する。

というのも、「現実に適応している大人達」が身近にいる集団では、働く男達の姿、家事や子育てを楽しむ女達の姿、その集団で受け継がれてきた集団規範があります。
子供達はこれらの真似(=同化)を繰り返すことで「学ぶ力」が向上していくんです!また、こうした集団内では子供達へかかる期待圧力も高まるため、子供達の学ぶ意欲も高まります。

「学力どうする?」を考えた場合、ついつい目先的な「テクニックどうする?」に目がいきがちですが、実はそれでは根本的な解決にはならないんです。これまでに見たように「現実に適応している大人達との結びつきが強い集団を作っていくにはどうする?」が不可欠なんです!

事業仕分けも、目先的な事象にばかり目を向けるのではなく、根本的な解決方針に結びつけなければ、やったとしても結局同じこと(解決しない)。
「本当にどうにかするには?」という視点でそれだけを考えられるのは、それが職業(メシの種)となっていない私たち“素人”や“みんなに開かれた場”にこそあるんだと思います 😀
みなさんも一緒に追求していきましょう
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画像はこちら [3]からお借りしました♪

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