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どうする?!家庭と未来 ~集団を超えた社会をどう統合し直すか?

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大変ご好評をいただいております『どうする?!家庭と未来』実現論 [1]の紹介)シリーズの第6回目です。

1.どうする?!家庭と未来~徹底した現実直視と事実の共認~ [2]
2.どうする?!家庭と未来~肉体破壊・精神破壊と市場の拡大停止~

3.どうする?!家庭と未来~人類はどこで道を誤ったのか?~

4.どうする?!家庭と未来~起点は、私婚⇒私権の共認と私権闘争~

5.どうする?!家庭と未来~私権闘争の終焉から本源集団の再生へ~

前回は、

’70年に貧困が消滅した結果、(私権を求めようとする)活力が急速に衰弱してしまい、個人も企業も国家も、すべてが目標を見失い、ガタガタになってしまった。しかし、その一方で、私権原理が崩壊したことで、失われた本源性が再生され、再び(本源)充足を得られる可能性が出てきた。その実現方法として、企業を共同体に変えること

が示されました。

今回は、その続きです。企業などの集団レベルにとどまらず、集団を超えた社会をどう統合するかについてです。

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実現論 序文 ヘ.集団を超えた社会をどう統合し直すか? [3]

 だが、それだけでは不充分である。なぜなら、人類が今ぶつかっているのは、集団を超えた地平にある社会を、どう統合し直すのかという課題だからである。しかし、本源集団の再生と同様に、その実現基盤=私権統合に代わって本源共認によって社会を統合する為の基盤も、既に整っている。

 私権の強制圧力の衰弱は、何よりもまず、私権圧力から抜け出た有閑層を激増させた。今や、子供、学生、主婦、老人など有閑層は優に人口の6割を超えている(注:貧困の時代は子供も主婦も老人も、決して有閑層ではなかった)。かれら有閑層こそ、本源共認によって社会を統合し直してゆく(=社会統合という仕事を担ってゆく)中心勢力なのである。彼ら有閑層は、私権の強制圧力から遠い位置にいる分だけ、本源収束が強くなる。例えば本源集団では、皆=仲間の共認圧力が絶対化され、又それが最大の活力源にもなっているが、現在、子供の世界では、既に仲間圧力が絶対化しており、自我は封印されてゆきつつある(この仲間圧力の絶対化こそ、旧世代が問題視するところの「いじめ」が、深刻化してきた直接原因である)。しかも、今や20代の若者の大半が、その様な空間の中で育ってきている。だから、彼らは「皆、仲良し」であろうと努める。

●注目1:私権の衰弱→有閑層の激増⇒本源収束

新しい有閑層~社会に出て行く主婦たち~ – ブログ de なんで屋 @東京 [4]
>主婦には娯楽がない!?~「おいしいもの食べるのも、映画とかを見るのはそれなりに楽しいとも言えるけど、それではもう充たされない」ってことのようです。娯楽=代償充足ではなく、「ホントの充足が欲しい」って思いが顕在化してるんですね。

有閑層の方が社会収束は進んでいる。 [5]
>若者や女性(+もう年金もらってる老人の一部)は、年金問題であれ、国の借金であれ、もはや自分一人でどうなる課題でもなく、目先収束しきれない部分を抱えており、みんなどうする?と社会収束意識は強い。

有閑層の社会収束の度合い [6]
>「ヒマの有る無し」の他に、「既存の制度・集団への収束度合い」(逆から見れば脱・私権制度、脱・私権集団の度合い)が、各階層の社会収束の度合いを規定している

ネット課金制を有閑層という切り口で考える [7]
>私権時代(特に中世)の芸術家がパトロンの支援で創作活動を続けられた/私権パラダイムでも「カンパ」や「支援」という行為は、主に意識生産(≒知的活動)に対するゆとりのある権力者≒有閑層の専売特許でもあった

●注目2:“貧困の時代”は、子供も主婦も老人も、必死になって働いた

港で働く子どもたち 明治中期の写真アルバムから [8] 働く子どもたち ― 薪運び(1952年4月) [9]竹篭造りの作業場で働く若い女性と婦人達 [10]
港で働く子どもたち 明治中期の写真アルバムから [8]働く子どもたち ― 薪運び(1952年4月) [9]竹篭造りの作業場で働く若い女性と婦人達 [10]

●注目3:仲間圧力の絶対化→自我封印(→いじめの深刻化)

ジベタリアン・車内で化粧する女子高生 [11] みんな必要 必要のない人は一人もいないよ・その他動物・こよみ - ネットで買えるなんで屋カード [12]
平然と車内化粧する女子高生も、例えば、仲間がみんなルーズソックスを穿いている間は、自分だけ穿かないでいるのは「恥ずかしい」ことになり、結局、その間は帰属集団と同じ行動をとった [11]みんな必要 必要のない人は一人もいないよ・その他動物・こよみ – ネットで買えるなんで屋カード [12]

 ただそれは、一見、本源的で良いことの様に見えるが、大きな問題が残っている。彼らは、何よりも仲間外れにされることを怖れ、相手の心に踏み込んで相手を傷つけることを怖れて、表層だけの「仲良し」を演じ続けている。それは、私権の強制圧力が衰弱しても、夫々に別の家庭で生まれ育ち、受験や恋愛に駆り立てられるという現実が残存しているからである。つまり、既に私権収束は生命力を失ったにもかかわらず、私婚や私権の制度はそのまま残存しており、そうである限り、警戒心を解くことが出来ず、本当に心を開くことが出来ないのである。既に生命力を失って形骸化した私婚・私権制度によって、無理矢理、受験や就職や結婚に向き合わされるこの状態は、彼らに深刻な精神疲労と肉体疲労を負荷させているが、その得体の知れない負荷は若者だけではなく、むしろ全ての中・高年により重くのしかかっている。

●注目4:意識と制度のズレ→深刻な精神疲労と肉体疲労

悩む中高年 [13]
2009年上半期の自殺者数は1万7076人と、前年同期から768人(4.7%)増えたことが警察庁のまとめで明らかになった。このままのペースで推移すると、今年度の自殺者は過去最高だった2003年の3万4427人を超える勢いだ。背景に戦後最悪の不況があるとみられ、警察庁によると、自殺の理由の約30%が金銭面の問題を苦にしたものだった。日本は過去10年間、自殺者が毎年3万人を超えている。世界保健機関によると、日本の自殺率は、世界でも旧ソ連諸国に次ぐ非常に高いものになっている。 [13]

年代別気分障害患者数の推移 [14] 景気動向指数と自殺者数 [15] 不登校児の児童・生徒の割合推移 [16]
年代別気分障害患者数の推移 [14]最近の自殺の特徴は50歳代に自殺死亡率の山がある点です。働き盛りの人の絶望が深まっているようです。自殺率が大きく増えているのは男性で、女性も増えていますが男性ほどではありません。自殺が失業や労働条件など性役割と関連していることを示唆しています。 [17]10年連続自殺者3万人超 – 地球に優しく人に優しく、限りある資源を子どもたちに残そう – 楽天ブログ(Blog)~景気動向指数と自殺者数・・・この影響で失業者が増え、自殺者が増加した!?でもバブル崩壊した1991年や2001年も景気が減退しているのに、自殺者はそんなに増えていない。2002年から景気は回復しているのに、自殺者は減っていない。単純に自殺者3万人超は景気減退だけが原因ではないのかも? [15]不登校児の児童・生徒の割合推移~それまであった、【いい学校】⇒【いい大学】⇒【いい就職】⇒【結婚】という私権的な目標を見失って、学校に行く意味、目標を見失ってしまいました。私権観念の瓦解→不登校が増加につながっていきます。:不登校どうする?!2~‘07年不登校が過去最高!目標を見失って再閉塞か?~ [16]

 ’70年以降ここまでの、私権圧力の衰弱⇒本源収束の潮流を堰き止めているものの正体は明らかだろう。既に生命力を失った私婚制度・私権制度という、制度の堰である。もっとも、未だに誰も、それを私婚・私権の行き詰まりという形で、明確には意識していない。しかし、人々は直観的に、常識や制度の行き詰まりを感じ取っている。そして、社会が行き詰まるにつれて人々は閉塞感を強め、今や大半の人が「この社会を変える必要」を認めるに至った。こうして本源収束の潮流は遂に、社会統合へと収束し始めた。

 それは、学生の就職意識の中にも、見て取れる。彼らは、人々の役に立つ、その手応えが感じられる仕事を強く求めており、しかもそれは、官僚や学者やマスコミ、あるいは大企業等、より社会統合に近い(社会に影響を及ぼし得る)業種への社会統合志向となって現れている。若者が、よりやりがいのある、より大きい仕事が出来る場を求めるのは、正しい。だが、与えられた既存の枠組みの中で選んでいたのでは、意味がない。枠組みを超えた場を探すか、あるいは自分(たち)で起業すべきだろう。

●注目5:常識や制度の行き詰まり→この社会を変える必要⇒社会貢献志向

社会のことに目を向ける気運や社会貢献意識の高まり [18] 冊子発行!!「社会貢献という生き方」 [19]
平成5年・国民生活白書/「国や社会のことにもっと目を向けるべきだ」~昭和57年の33.1%→62年に31.7%→平成4年に52.6%。年齢層別にみると50歳代で社会意識が高く,平成4年には56.6%/「何か社会の役に立ちたいと思っている」~昭和57年の43.3%→62年に52.6%→平成4年に61.7%。年齢層別では50歳代で高く,平成4年には68.6% [18]冊子発行!!「社会貢献という生き方」~小倉譲のNPOとその先の視点 – (コミュニティ・ビジネスってなに??/団塊世代、7人の起業事例/NPOってなに?) [19]モノが売れないこの時代に、『社会貢献』が売れている – るいネット:社会貢献志向の消費行動を『ソーシャル消費』と呼ぶが、この消費トレンドは、若者とアラフォー女性を中心に、30代男性、そしてシニアを巻き込むメガ・トレンドになりつつある。 [20]

 既に述べた様に、事態は学者や官僚やマスコミなどが唱えてきた小手先の改良策で解決できるような次元を、遥かに超えている。それどころか、私権統合の終焉とは、彼ら統合者たちが、もはやこの社会を統合する資格を失ったという事に他ならない。むしろ、返済不能な国家赤字(借金)=国家破綻が象徴している様に、彼らが既に統合不能に陥ったからこそ、こんな事態を迎えたのである。そんな私権統合の枠組みを超えない限り、この事態を解決することは出来ない。それどころか、破滅が待ち受けているだけである。

●注目6:統合不能→返済不能な国家赤字(借金)⇒集団を超えた社会をどう統合し直すか?

なんで屋(なんでや露店) - るいネット [21] なんでや劇場 - るいネット [22]
『なんでや露店(なんで屋)』は、単なるしゃべり場ではなく、「世の中、何かおかしい。何でだろう?」に対する“答え”があります。この有料の『なんでや露店(なんで屋)』こそ、みんな期待に応える「人と答えが一体のまつり場」であり、「みんな」に直接接触する文字通りの最前線です。 [21]『なんでや劇場』は、最新の社会状況や意識潮流から生まれるテーマをお題に、円形に座席配置された劇場型会議室で、みんなでより深い答え(=構造認識)を作り出す場です。 [22]

今回は以上です。次週は、次章『ト.万人が半専任(副業)として参画する』る?」をお届けします。
お楽しみに

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