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【子ども危機】子どもの貧困の実態とは?!

さて、今回も週刊ダイヤモンド(2009/07/25)『子ども危機』を題材にします。
特集の第5弾【危機5】では、『もう目を背けてはいられない子どもの貧困』が取り上げられています。

「子どもを高校に通わせてあげたいが、制服を買うお金すらない。例外としてマネキンに着せていた展示品を譲り受ける。」「月収7万円のシングルマザー。養育費は受け取っていない。子どもの学費がかかるが、仕事がパートしかないので本人の望む大学に入学させられない。」など、インターネット上でも“子どもの貧困”という問題はよく見かけます。

が、どこまで深刻な状況にまで進展しているのかなど実態はよく分かりにくいのが現状です。

今回の記事では、具体的なデータを基に実態を明らかにし、その問題点がどこにあるのかを示しています。
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子どもの貧困状態を要約します。

A.OECD(経済協力開発機構)加盟国の子どもの貧困率によると、日本は14.3%(およそ7人に1人)が「貧困状態」であり、経済大国にしてはおそまつな状況である。(が、さらにひどいのはアメリカで20%強)

B.その「貧困状態」のうち約2割を占めるのがひとり親世帯。

C.さらには母子家庭のおよそ6.5%、3万人以上の子どもが健康保険に加入していない、いわゆる「無保険」状態。(厚生労働省の調査)
母子家庭の就労率は85%であり、OECD加盟国の中でもダントツに高い。この数字は日本人が勤勉ということを示しているのではなく、社会保障が充実していないためにとにかく働かなければいけないという状況を示している。
にもかかわらず、政府は2003年から児童扶養手当の削減など、より厳しい政策をとっている。手当削減の代わりに就労支援を充実させるというのが政府の言い分であるが、それによって増加したのが非正規雇用者や派遣労働者、フリーター。

D.前述の「貧困状態」のうち約2割を占めるのがひとり親世帯であるが、残る8割は両親世帯となる。両親がいるにもかかわらず「貧困状態」であるのは、非正規雇用者や派遣労働者、フリーターが増えたためである。

【結論】
このように、我が国の子どもの貧困は深刻な問題にまで発展しており、貧困状態にある子どもに対して、まんべんなく支援する政策、金銭・教育・医療・住居といった具体的支援を整える必要がある。

このような記事を読むと不安が募るのは避けられませんよね・・ かといってどうしていったらいいのかも分からない。
これではよくありません。

ちょっと掘り下げて考えて見ましょう。

まず、OECDは国民の標準所得の半分を下回る所得しかない人を「貧困状態」とみなしています。(標準所得の設定に使われているのは、所得の「平均値」ではなく「中央値」である。)
なおかつ、貧困という基準には「絶対的貧困」と「相対的貧困」の2種類があり、先進国である日本においては、後者の「相対的貧困」つまり所得水準を指しています。

実は、市場経済システムというものを指標にして定義しているがゆえに、上記のようなデータにしかなりようがないのです。

こちら [1]を参照してください。

市場化を進めれば、豊かになっていくと思いがちだが、それは大きな間違い。なぜなら、市場化→集団破壊が進むほどに圧倒的な貧困と抑圧が生み出されることになるからだ。先進国と途上国しかり、格差社会しかり。

対して、古代・中世の武力社会、封建社会は集団(統合)適応の原理に基づいている。そこでの適応主体は“集団”が原点となる。
よって、集団間での同類(武力)闘争による貧困や抑圧は存在するが、集団そのものは維持されるため、市場社会におけるそれとは比べ物にならないほど緩やかなものであると言える。(例えば市場社会における飢餓などというものは、古代・中世にはほとんど存在しない)

たとえば、みんなが年収500万円であれば貧困率は0%となりますが、市場経済が進行すると当然所得格差は生まれ、年収1000万円の人も500万円の人もでてきます。
その結果、本当に貧困なのかという議論はなされぬまま貧困率○○%と勝手に騒がれるようになるのです。

加えて、政府政策として経済支援をすればするほどこの問題は長引きます。事実、政府が貧困問題に介入する前と介入後では、介入後のほうが貧困率が上昇しているというデータもあります。
金銭面での支援があれば、低所得者層にとっては嬉しいことかもしれませんが、それは一時的な政策であり抜本的解決とはなりません。問題を先送りしているだけなのです。

さらにこちら [2]もご覧ください。

現代の、モノがあふれる時代と比べれば、確かに「貧」と言わざるを得ませんが、「困」ではなかった、というのが当時を振り返っての実感です。

ここまでくると果たして“貧困”って何なんだろう、何をもって“貧困”なんだろう、という疑問にぶちあたりませんか??
これは今後要追及のテーマです。

さらに、もうひとつ。
前述しましたが、生きていく上で必要なものは一定度揃っているが、相対的に貧困であるのが日本の貧困層です。仮に高校や大学に行かせてあげられない・・という状況ならば行かなくてもよいのではないかという考え方も出来ます。

ではなぜそうはならないのか。
それはみんなの意識が「みんな収束、みんな基調」、みんなと同じ事をしたい・させてあげたいと思っているからではないでしょうか。(そこに必要かどうかの判断はありません)
だとするならば、仮にみんなが高校や大学に通う意味がないと判断し、すぐ社会にでて働くようになれば、貧困状態も改善されるであろうし、国家のためにも有益なことではないのでしょうか。

“貧困”という切り口から考えてみても、さまざまな問題と密接に関わっていると改めて感じます。今後の追求テーマとして徐々に明らかにしていきたいと思います。

[3] [4] [5]