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日本語の魅力-6@人称代名詞と敬語から分かる、日本語のパワー(前編)

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写真はこちら [1]からお借りしました。

こんにちは!ブログ初投稿のよりちょです 😮
初投稿ながら、シリーズの最後を締める(しかも前編・後編に分けて!)という大役を仰せつかり、大変緊張…いや、気合が入っています(笑) :tikara:
今後とも、どうぞよろしくお願いします 😉

さて、日本語の魅力シリーズ最後のテーマは、「人称代名詞と敬語」です。

人称代名詞 = 「私」「あなた」「彼」など、人を指す代名詞。
敬語 = 尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分けがあり、相手を敬う 述語表現。

こういう風に説明書きすると、小中学校の国語の授業を思い出したりして、「かったるいなぁ 🙁 」と思われる方がいるかもしれませんね(笑)。

ご安心を
今回の記事のメインは、小中学校の授業のおさらい ではありません。
人称代名詞や敬語が、日本語にどんなパワーをもたらしているか
人称代名詞や敬語は、日本人にどんな意識をもたらしているか
そこに迫ってみよう、というのが今回のメインテーマです

この記事の目次としては、
1.人称代名詞①:1人称代名詞
2.人称代名詞②:2(3)人称代名詞
3.人称代名詞③:人称代名詞から分かる日本人の生き方
4.人称代名詞と敬語の共通点
5.人称代名詞と敬語から分かる、日本語のパワー

という感じで話を進めていきます。

前編の今回は、特に人称代名詞にスポットをあてて、1~3のお話しをします :tikara:

普段何気なく使っている人称代名詞や、敬語。
この日本語独特の文法から、日本語の魅力を一緒に堪能し、日本人の意識と日本語の関係性を一緒に考えてみましょう 😉

では、続きを読む前に、 1クリック をお願いします☆
 

●人称代名詞①:1人称代名詞

私たち日本人は、あまり意識せず、人を指していろんな呼び方をしています。
まず、自分を指す1人称代名詞を挙げてみましょう。いくつ挙げられますか 🙄

「私」「僕」「わし」「俺」「うち」「我」「我輩」「小生」「それがし」etc…

現代だけでなく、時代劇なんかで使われているものも含めていくと、思いつくだけでいっぱいありますね!さらに、一口に「私」といっても、「わたし」「あたし」「わたくし」「あたい」…という風に発音が違っていたり 、地方によってアクセントの位置が違っていたりします

これら沢山の1人称代名詞を、自分が置かれている状況の中でうまく切り替えています。
例えば、
・「僕は~」「俺が~」「あたしは~」 = 友達同士でフランクな状況
・「わたくしが~」「わたしは~」 = ビジネスの場やフォーマルな状況
…という感じ。
就職生で、面接での1人称代名詞は「わたし」と「僕」のどちらがいいのか、ということを気にする人がいます。これは「面接」という状況における、適切な自分の立場を測っているからこその疑問ですね。

さらに、1人称代名詞では、自分自身のキャラクター作り・印象の演出もできます。
例えば、
・「俺はさぁ~」 = 傲慢、カッコつけてる感じ 8)
・「僕は~」「あたしは~」 = 親しい感じ 😮
・「わしは~」 = 年輩者の感じ
…という風に自分を演出できます。
ポップスの女性歌手で、意図して「あたし」という1人称代名詞で歌詞作りをする人がいます。こうすることで女性の心を赤裸々に綴っている感じを演出でき、女性リスナーの同化意識を高める作用があると考えられているそうです

●人称代名詞②:2(3)人称代名詞

さて、1人称代名詞の役割・作用を紹介しましたが、多くの役割・作用を持つのは1人称代名詞だけではありません。2人称代名詞・3人称代名詞の場合、相手に自分の立場を伝えたり、感情を伝える作用があります。
例えば、
・「君は~」 = 対等な立場を表明し、親しみの感情を込める
・「お前は~」「あんたは~」 =自分が目上である立場を表明 😆
・「あなたは~」「皆様は~」 =相手を敬う立場を表明し、尊敬の感情を込める
・「貴様!」「おのれ!」「あいつ!」 =敵対の立場を表明し、侮蔑・怒りの感情を込める 👿
…といった感じです。
今まで、自然と使っていた相手への呼び方ですが、改めて考えてみると、立場や感情を伝えようとしていることに気がつきますね。

●人称代名詞③:人称代名詞から分かる日本人の生き方

いかがだったでしょうか
これまでの人称代名詞の話をまとめると、以下のようになります。

・1人称代名詞: 「場」で使い分けている。キャラクター作りや印象の演出ができる 8)
・2(3)人称代名詞: 相手に自分の立場を伝え、同時に感情を伝える

これら人称代名詞の役割から、日本語を扱う日本人の感覚が垣間見えます。
それは、「言葉を伝える相手の存在・立場を細かく分析している」ということ。
普段日本語を使っているとごく当たり前のように感じますが、日本語の人称代名詞が他言語のものと比べてはるかに多いことは、いかに日本人が相手の存在と立場を分析しているかを示す証拠と言えます
現代風に言うと、「空気を読んでいる」ということですね。

さて、前編はこのへんで終わりです
次回の後編では、日本語独特の相手を敬う表現「敬語」を話題にします。
・人称代名詞と敬語の共通点とは?
・人称代名詞と敬語が日本語にもたらしているパワーとは?
・人称代名詞と敬語から分かる、日本人の意識とは?
乞うご期待!!

追記:敬語についてもっと調べてみたい方は、以下の参考文献もご覧ください

【参考文献】
1.「日本語の1人称代名詞」Wikipedia [2]
2.「人称代名詞@夏貸文庫日本語10」  [3]

[4] [5] [6]