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『これからの教育って、どうなん? 』-7 『街場の教育論』から見えてくるこれからの可能性とは・・・

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皆さん、こんにちは 😀 、『これからの教育って、どうなん? 』シリーズを今週1週間をかけてやって参りましたが、今回がその最終回

シリーズ第1弾 『新しい学習指導要領ってどうなん?』 [1]
シリーズ第2弾 『教員免許更新制って何?』 [2]
シリーズ第3弾 『官僚型教育制度の限界』 [3]
シリーズ第4弾 新しい教育の取り組み-『学校側の取り組み』 [4]
シリーズ第5弾 新しい教育の取り組み-『企業が学校に求める教育』 [5]
シリーズ第6弾 これからの教育 [6]

というような流れで展開してきましたが、最終回は、鋭い洞察力 と相互分析力 で社会の本質構造を鮮やかに読み解いていると定評のある、内田樹先生の『街場の教育論』から、これからの教育のヒント になりそうな記事の内容を参考に、これからの教育の可能性を探っていきたいと思います 😀 !

本書の中でも、今回のシリーズ第3弾 [3]で取り上げた『官僚型教育』について問題点を言及されていました。そこでは、現在のような教育界に置いて、トップダウン体制は成立しない根拠を明確に示してくれています。まずはその当たりから見ていきましょう!

ではでは読む前にポチポチ応援お願いします
 

そこには、このようにあります。
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トップダウン(官僚、上位下達)体制は、システムが日常的に機能している場合にのみ成立する体制である。つまり、今の教育界のような危機的な状況では成立するものではない。

というのも、
システムが日常的に機能しているとは、業務計画が適切に予測できることであり、そのためには、上部層が部下の個々の能力を把握し、しっかりと勤務考課が行われていることが前提となる。

そもそも現在のような教育界は、機能不全な状態。つまり、極めて危機的な状況にある。この危機的な状況では(勤務)予測など立つわけがない。この突破には全員が給料以上の仕事(オーバー・アチーブ)することが必須条件。集団的にオーバー・アチーブしてブレイク・スルーする必要がある!

そして、このオーバー・アチーブの実現には、トップダウン体制では絶対に不可能である。というのも、上意下達とは「払った分の仕事をしろ!」という所までしか期待をかけられないことを意味するからである。つまり、この体制である限り、給料以上の仕事を勤務予測に組み込むことなど成立しえないことを表している。

これが意味するのは、トップダウン体制とは「平時(安定)のマネージメント」でしか成立しえないことを露呈しているのである。
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以上の内容から現在の教育界がトップダウン体制である限り、危機的な状況を突破できないことを示唆しています。つまり、解決の意図口は、オーバー・アチーブする体制への転換にあることが窺えます。

では、全員が給料以上の仕事(オーバー・アチーブ)するにはどうしたら良いのでしょうか? 🙄

これについても、シリーズ第6弾の『集団生活を通した生きる力(規範意識)の育成』 [6]と重なる内容が言及されています

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オーバー・アチーブする体制とは、集団力をいかにつけさせるか、連帯しうる技術を学ばせるかにある。つまり国や産業界が推し進めてきた『グローバリゼーションが及ぼした個性の尊重』が集団(意識)を解体させ、今のような危機的な状況を急速に引き起こすに至った経緯を理解し、その上で集団としていかに『連帯しうる技術』を身につけさせることができるのかを、全ての者が真摯に向き合い、どうしていくかを考え、そして行動していくかが重要となる。
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つまり、『個人』の利益や有利性ではなく、『集団』にとってどうなのかをまず考えて行動できるかを学ばせることこそが重要であることを仰っています 😉 。そして、もちろんこの集団力を生徒を導く立場である、先生自体が身に付け、組織をオーバー・アチーブすることが必要であり、その部分が今大きく欠けていることを物語っているわけです。そういう意味においても、教育界における官僚体制を壊さないかぎり、機能不全は解消されないでしょう。

以上より、これからの教育のあり様とは、内田先生も仰る通り、まさに『集団力の再生』にあるということに他ならないのではないでしょうか?
そして、その為にはトップダウン(官僚、上位下達)体制を抜け出すことがまず必要条件になりそうです。

そういう意味で期待しているのは、国策とは一定離れた教育(脱官僚体制)ができ、現実の社会をよく知る【企業法人の学校】 [5](シリーズ第5弾参照)なのかもしれません。ただし、今の所、企業立学校は、一切の教育への国家的配慮を受けらないなど、認知度も含めてハードルはまだまだ高いのが現状です。現在のところ、大きな可能性のひとつではあっても一筋縄ではいかないところが難しいところです。

『集団力の再生』どうする?がまさにこれからの教育の重要な課題です!

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