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役に立つ勉強法って?1 ~書籍ランキングに見る勉強収束の潮流!?

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写真は1866年(慶応2年)のベストセラー福沢諭吉の「西洋事情・初篇」です。
当時は幕府将軍も薩長も皆がこの本で「西洋事情」の勉強をしたようです。
画像はこちら [1]からお借りしました。

「学校ってどうなってるの?」シリーズでは、「学力低下」問題の原因分析や、突破口について追求してきましたが、今回より、シリーズタイトルも「役に立つ勉強法って?」 に一新、学力上昇はもちろんのこと、様々な問題に答えを出していける本物の思考能力を育てていくための「勉強法」や、教育現場で成果を出している様々な試みについて追求していきたいと思います。

まずは、こうした人々の「勉強収束」「認識収束」の潮流の現在の状況について、数回に渡って押さえていってみようと思います。

その第1回は、 「書籍ランキングに見る勉強収束の潮流!?」です。

その前に、ご協力をお願いします

ありがとうございます 😛

そこで、書籍の販売傾向を調べるのに適したサイトを発見
「日本著作販促センター」 [2]

ベストセラーの月間ランキングや慶応2年からの年間ベストセラーなど、その変遷には人々の意識潮流を見みことができます。

では、実際にどのような感じなのか、総合ランキングにおけるここ20年の変遷を見ていきたいと思います。

■1988年(昭和63年)のベストセラーランキング [3]   
1.こんなにヤセていいのかしら/川津祐介
2.ノルウェイの森(上・下)/村上春樹
3.ゲームの達人(上・下)/シドニィ・シェルダン
4.私の人間学(上・下)/池田大作
5.裕さん、抱きしめたい/石原まき子 etc.

■1995年(平成7年)のベストセラーランキング [4]   
1.遺書/松本人志
2.松本/松本人志
3.ソフィーの世界/ヨースタイン・ゴルデル
4.フォレスト・ガンプ/ウィンストン・グルーム
5.幸福の科学興国論/大川隆法 etc.

■2000年(平成12年)のベストセラーランキング [5]   
1.だから、あなたも生きぬいて/大平光代
2.話を聞かない男、地図が読めない女/アラン・ピーズ
3.ハリー・ポッターと賢者の石 ハリー・ポッターと秘密の部屋/J.K.ローリング
4.これを英語で言えますか?/講談社インターナショナル編
5.「捨てる!」技術/辰巳 渚 etc.

■2003年(平成15年)のベストセラーランキング [6]   
1.バカの壁/養老孟
2.世界の中心で、愛をさけぶ/片山恭一
3.トリビアの泉 へぇの本(1~4)/フジテレビトリビア普及委員会編
4.ベラベラブック-2/SmaSTATION-2
5.開放区/木村拓哉 etc.

■2008年(平成20年)のベストセラーランキング [7]   
1.ハリー・ポッターと死の秘宝/J.K.ローリング
2.夢をかなえるゾウ/水野敬也
3.B型自分の説明書/Jamais
4.O型自分の説明書/Jamais
5.A型自分の説明書/Jamais etc.

■2009年(平成21年)1月のベストセラーランキング [8]  
1.「脳にいいこと」だけをやりなさい!/M.シャイモフ 茂木健一郎訳
2.対訳 オバマ演説集/「CNN English Express」編集部
3.男道/清原和博
4.新装版 天地人(上・中・下)/火坂雅志
5.告白/湊かなえ etc.

‘88年<バブル期>から’95年<バブル崩壊後>までは小説・文芸作品が中心・・・娯楽要素の色濃い時代でした。

‘00年頃になると、エッセイなども含め「どう生きるか?」といった生き方や、スキル向上に関する本が増え、文芸・娯楽作品が減少し始めます。

‘03年になると、従来の固定観念に縛られない柔軟な思考によって混迷した社会を斬った「バカの壁」 (2000年以降ではダントツのメガヒット)が登場。また、若い世代をターゲットにしたケータイ小説などの共感系の作品(皆の意識探索)のヒットも特徴的でした。

昨年‘08年は、トップ5には入らないものの、「女性の品格」「親の品格」といった収束不全に苛まれる意識をターゲットにした規範探索本が上位にランクインし、脳科学者の茂木健一郎氏の「脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」」も10位にランクインしています。血液型の本も収束不全の収束先の一つとして考えても良いのかもしれません。(コンビニを主体とした販売戦略の効果も大きかったと思われる。)

そして、直近・・・‘09年1月は様々な流行モノ(オバマ、清原、大河ドラマ)を抑えて茂木健一郎氏が訳した「脳にいいことだけをやりなさい!」が1位に堂々のランクイン。

更に、ビジネス書ではその傾向はとても顕著です。

■ビジネス書ベストセラーベスト10 2008年 [9]
1.脳を活かす勉強法 奇跡の「強化学習」/茂木健一郎
2.情報は1冊のノートにまとめなさい 100円でつくる万能「情報整理ノート」/奥野宣之
3.脳を活かす仕事術 「わかる」を「できる」に変える/茂木健一郎
4.効率が10倍アップする新・知的生産術 自分をグーグル化する方法/勝間和代
5.竹中式マトリクス勉強法/竹中平蔵 etc.
6.100%幸せな1%の人々 「すべてが幸せ」になる59の法則/小林正観
7.3つの真実 人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”/ 野口嘉則
8.「残業ゼロ」の仕事力/吉越浩一郎
9.地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」/細谷 功
10.「脳にいいこと」だけをやりなさい! 頭のいい人は「脳の使い方」がうまい!/マーシー・シャイモフ 茂木健一郎 訳

ランキング10位中、8冊が勉強系や能力系ベスト5に至っては全てが勉強法系という結果でした。
かつては私権時代をどう生きるか(人や組織の在り方)やいかに金を稼ぐか(経営関連や「金持ち父さん」系)が多かったことからすると、勉強法や能力向上に意識が向かってきているのは確かだと思います。

これらの現象は、果たして勉強収束⇒認識収束している証拠と言えるのでしょうか?
・・・これについては、もうしばらく意識潮流分析を行った上で、改めて考えてみたいと思います。

kanon kota

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