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不登校児に活力を与えた、アンジェラ・アキの「手紙」

[1]
※「Amazon.co.jp: 手紙~拝啓 十五の君へ: アンジェラ・アキ」より

http://musicmovie.blog48.fc2.com/blog-entry-5123.html [2]
>「手紙」は、アンジェラ・アキが、NHKの全国学校音楽コンクールの合唱課題曲として書き下ろした曲。未来の自分に宛てて手紙を書いたという自身の中学時代の経験をもとに、この「手紙」を作り上げた。

http://www.sonymusic.co.jp/Music/Info/AngelaAki/bbs/081008_0.html [3]
>私は、今不登校です。中3で受験生なので、かなりヤバイです。でも、アンジェラさんの「手紙」にとても励まされてきたので、もう少しで抜け出せそうな状況です。これからも『手紙』を聴いてもうひと踏ん張り、頑張りたいです!

この事例のように、多くの不登校児に至るまで、「未来の自分に宛てて書く手紙なら、きっと素直に打ち明けられるだろう」と言うアンジェラ・アキの「手紙」(歌詞 [4])に共感し、活力再生のキッカケにしているというテレビ番組を見ました。
 
少しでも活力がアップしていく彼女らを見て、素晴らしいなぁと輝きを感じる一方で、子どもたちの頭の中に巣食う“自分”という観念の病理を感じざるを得ませんでした。
 
[5]
※「ネットで買えるなんで屋カード – るいネット」より
 
 
以下が、自分観念によって、活力を失う子どもたちについて、以下が参考になりました。
  
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=74917 [6]
●自分探しにみる対象同一性の喪失

社会規範が確立していた時代には、行動すべき方向が示されていたと言えるのではないでしょうか。つまり、自分というものは社会にあり、みんなの中にあったと言えます。
そして、その社会規範が根本規範(本源規範)であればあるほど、違和感無くみんなに受け入れられていたと言って良いでしょう。

根本規範(本源規範)の大部分を取り入れてきた序列規範が存在していた時代(封建時代)、そして、それに私権の価値観(近代思想)が混在してきた近代には、行動すべき方向が示されていた。つまり、規範を守れば良いとされていたし、守らなければ悪いという基準が明確であったと言えます。

’70年の貧困の消滅を契機に、それ以降は序列規範が解体される過程にあります。根本規範(本源規範)の大部分を引き継いでいた序列規範が解体されることは、対象同一性(規範同一性)の対象が無くなること、つまり、人々がどんどん対象性を失い自分だけになってゆくことを意味しています。

それでも’90年頃までは、根本規範や序列規範を残していた親や仲間に対象同一性を見出していました。(親が言うから勉強をするとか、友達が進学するから自分もするといった類のものではないでしょうか。)

しかし、’90年頃以降完全に対象同一性(規範同一性)を失った若者はやりたいこと=役割探しを始めますが、同じく対象を失った彼らの親たち(上の世代)は彼らに語る言葉が無くなったが故に、彼らの行動に対して「自分探し」あるいは「個性」という何の中身もない誤魔化しの言葉を押し付けることになります。実際、自分たちに語るべき中身が何もないことを誤魔化すのに、「自分で考えなさい」「自分の好きなようにしなさい」という言葉ほど便利な言葉はありません。しかし、そのような言葉が蔓延していったということは、彼らが規範や社会との対象同一性を完全に失なったことを意味しているように思います。

上の世代は、若者がやりたいことや役割を探索している行動を「自分探し」という言葉で表現することによって、若者の探索先を内向けにする=閉塞させていると言えるではないでしょうか。
彼らの行動は「自分探し」ではなく「役割探し」と呼ぶ方が可能性が開かれるだけでなく、新しい規範の構築に結びつくように思います。

応援よろしくお願いします。

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