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学校ってどうなってるの?101 本源集団と総偶婚

グランドセオリーに必要な【本源集団、総偶婚】という新概念を紹介します。

 今回は、家庭や学校(集団)の形態や様式の、本来、私たち人類があるべき姿としての【本源集団、総偶婚】を紹介します。

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 聞きなれない言葉でありますが、これは、【るいネット】 [1]で紹介されているものです。これらは、本来の集団のあり方【本源集団】と集団の中で営まれる婚姻のあり方の原初の形態である【総偶婚】。今の核家族という集団の有り様と一夫一婦制という婚姻様式は、実は、作られた集団形態・婚姻様式であることに気づきます。今、絶対だ、常識だと思いこんでいることと昔の常識とはかなり違っていることに気づく概念たちです。
 現在の、核家族形態と一夫一婦制という婚姻制度は、実は、学力低下や引きこもり、家庭内暴力や幼児虐待、DVなどの社会的諸問題を引き起こしている根本原因ではないか?という疑問をまず提起しておきます。では・・・

【本源集団(ほんげんしゅうだん)】 [2]とは・・・

闘争と生殖を包摂した全的集団のこと。これは、集団を形成するあらゆる生物に普遍的な構造。また、生まれたときから一緒に生きてきた集団の意味で用いる場合もある。人類も基本的にそうであったが、約5000年前の掠奪闘争によって、この本源集団は悉く破壊されてしまった。 [3]
※もっと、詳しく知りたい方は、実現論第一部:前史 ト.人類の雌雄分化と人類の弱点 [4]をお読み下さい。

また、
【総偶婚(そうぐうこん)】 [5]とは・・・

集団ごとの男達と女達が分け隔てなく交わりあう婚姻様式。約1万年前、採集・漁労部族はこの総偶婚によって(期待・応合充足を破壊する)性闘争を完璧に解消し、自我回路をほぼ完全に封印していた。日本においては村内婚(夜這い婚)の形で、昭和30年代頃まで農村部で存続していた。 [5]
※もっと、詳しく知りたい方は、実現論 第一部:前史 チ.採取時代の婚姻様式 [6]をお読み下さい。

さて、この【本源集団(ほんげんしゅうだん)】 [2]【総偶婚(そうぐうこん)】 [5]を見ていきましょう。まず、【本源集団】を見て見ましょう。次に、集団内で営まれてきた【総偶婚】という婚姻形態を見てみることとします。

詳しくは、続きでね★★★★★

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◆本源集団 
いま、自分の親、兄弟、旦那やカミサンなどが作り出す集団【=家庭】は、社会の最小の集団単位とも言われています。現在は、両親と子供1~2人の【核家族】程度が一般的ですが、日本では、ちょっと前までは、この核家族という形態は一般的ではなかったようです。また、自分の家族や家庭をよく顧みてみると、父さんは、外で仕事をして、サラリー=給料=お金を家族に持ち込んで、母さんと子供たち、又は、本人が、何かを購入し、消費して日常生活が営まれています。唯一、生殖の場は、家庭しかなく、『旦那元気で、留守がいい』というコマーシャルメッセージもかつて流行ったことがありましたが、現在の家庭は、生産・闘争の場面と消費・生殖の場面が完全に分断されています。例えば、父さんの働く姿を、毎日、目の当たりにすることがあるでしょうか?母さんと父さんが、一緒に力を合せて働いている姿を見ることができるでしょうか?

 そう!今の家庭の殆どが、消費・生殖することだけに特化され、生産・闘争することを忘れてしまっています。消費・生殖だけに明け暮れることから、家族という集団の成員の一人一人が協働し共感して、ともに認め合いながら、生きてゆくことを全て欠落させてしまっています。いまや、この核家族という密室空間から、共感や同化、協働という認識を得ることが出来ません。
 
 本来、人類の集団のあり方を歴史的に見ていくと、いまの核家族という集団のあり方が、本当に短い歴史しか持たず、人類のほぼ、99%の時代は、【生産・闘争と生殖・消費が一体となった協働性をもつ集団】であったことに気づきます。例えば、日本の江戸時代の村落共同体などを見れば、一目瞭然で、大家族かつ共同体の成員全員がともに農業などの生産(闘争)を営み、消費も生殖も同集団で行われる集団形態が一般的であり、生まれたときからみんな一緒の集団に属していて、安心感のある集団が自然に作られていました。もっと遡れば、最初に集団を形成した猿(詳しくは真猿)たちの作り出した集団も木の実をとり(生産・闘争)捕食し(消費)雄雌が交わり(生殖)、次代の集団を担う子供を作り出していることが分かります。

◆総偶婚
 次に、集団の中で営まれる男女の生殖関係(性関係)は、歴史を遡ってみると、かなり、大らかなものでした。今の一夫一婦制という不倫のタブーや限定された一人との性関係を結ぶ婚姻様式ではなかったようです。日本では、昭和30年まで、【夜這い婚】という集団の性の規範に沿った男女たちの性の充足関係が色濃く残っていたようです。この総偶婚は、集団ごとの男達と女達が分け隔てなく交わりあう婚姻様式であり、集団統合を破壊する【男女の性闘争と自我】を解消、完全に封印してきました。今の独占の性関係やこの人一人だけという恋愛関係とは、全くことなり、集団内で生まれた子供は、集団内で育て、集団を担っていくように集団のみんなで教育をしてきたようです。婚姻制度という成文化された制度ではなく、集団の統合を破壊しない規範から、性規範を皆が暗黙のうちに理解して、それにそった生殖・性関係=婚姻関係が作られてきました。それは、男女の和合や男女の充たしあい・充足を阻害するものではなく、むしろ、集団の成員全員が充足できる方向での【婚姻規範】が作られていったと考えられます。

 翻って、今の一夫一婦制度。これは、そんな大らかな総偶婚という男女の期待・応合関係、集団の成員の期待・応合とは全く趣を異にする、私権、独占に基づく婚姻制度で、むしろ、かつて長い間、培ってきた男女の充足関係を排除し、国家などの統合階級から強制的に押し付けられた制度の一つと見ることができます。日本では、明治初期に、強制的に夜這いなどの総偶婚を排除し、国家が税金徴収などのための押し付けた制度であることが分かります。日本では、たかだか、60年程度の歴史しかなく、本来の婚姻制度とはいえないのです。

◆共通項
 【本源集団】【総偶婚】に共通する重要なことは、【期待・応合/共認・共感・男女和合】関係をベースにした集団のあり方や集団の男女の婚姻関係を構築していることです。闘争と生殖の分断も、自我や性闘争も、この【期待・応合/共認/共感/協働/男女和合】を破壊してしまうものであり、集団動物(共認動物)の基本である集団や期待・応合を破壊してしまう方向にあります。

この【本源集団】【総偶婚】を逸脱した集団の有り様と婚姻関係は、様々な社会の諸問題の原因となっています。

1】例えば、学力低下や幼児虐待など・・・
同化能力の低下は、最初の同化対象の母親の自我からの親和欠損から不安→同化不能→対象同化機能が不全となり、核家族では、この自我を制御できるのは、父親ですが、密室家庭よりその内情は伏せられ、聖域と化して教育不全を引き起こしているためです。

2】例えば、モンスターペアレントなど・・・
家庭が不可侵の密室空間として温存され、家庭内の自我が制御されずに、露呈した現象。本来であれば、集団の成員が許さない自我を温存できる核家族は、制御不能となってしまい、あからさまに露呈するモンスターペアレント現象と分析できます。

3】例えば、マスコミ支配の問題・・・
両親+子供1~2人に分断され、いまや、個人個人にばらばらになってしまったための収束先がない。あるとすれば、遊びや笑いなどの解脱を垂れ流す、解脱箱としてのTVやマスコミが一気に支配共認を形成。そこへ収束せざるをえない状況より、マスコミ支配の構造が登場する。集団の本来の有り様を見失い、企業も学校も家庭もガタガタとなり、マスコミへと目先的に収束したがゆえの支配と見ても良いかもしれない。

4】子供たちの精神欠陥~自傷、過食、うつ、多動症、自殺、いじめ~
母親はほったらかしや過期待、無期待、過保護が生み出す、親和欠損を子供たちははらんで、親との期待に応えるべく過剰に追い込む精神欠陥急増中。これは、家庭が、本源集団とかけ離れ、共認充足を得られない子供たちの悲鳴と見るべきか・・・・

などなど。私たちの目指すべき【本源集団】と【総偶婚】が提起されている。重要な認識と考えられます。

このサイトの婚姻史シリーズも参照ください。
■婚姻史シリーズ(1) 母系制婚姻様式 [7]
■婚姻史シリーズ(2) 母系制婚姻様式2-男集団婚 [8]
■婚姻史シリーズ(3) 母系制婚姻様式3~交叉婚~ [9]
■婚姻史シリーズ(4) 母系制婚姻様式4~妻問婚~ [10]
■婚姻史シリーズ(5) 母系制婚姻様式5~日本は明治維新までは婿入り婚が主流~ [11]
■婚姻史シリーズ(6)~西洋婚姻史 1~ [12]
■婚姻史シリーズ(7) 妻問婚は集団婚だったのでは? [13]
■婚姻史シリーズ(8) 母系制婚姻様式 婿取婚の起こり [14]
■婚姻史シリーズ(9) 台湾アミ族の母系社会 [15]
■婚姻史シリーズ(10)~西洋婚姻史 2~ [16]
■婚姻史シリーズ(11) 婚姻様式は父系制(嫁取婚)へ [17]
■婚姻史シリーズ(12) ~近代日本における婚姻制の変化~ [18]
■婚姻史シリーズ(13) 新しい婚姻制度の答えは、日本の共同体の歴史にある [19]

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