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不登校どうする?!10~文部科学省の対策⇒目先のスクールカウンセラー急増と再閉塞~

これまでに、不登校生徒の再びの増加状況、不登校生徒の心と頭、そして、それを取り巻く家庭状況(父親・母親・個室)を扱いました。今回は、さらに対象を広げ、国家の不登校への対策を取り上げます。
 
不登校への対応として、国家(文部科学省)が最も(47億円も)予算(税金)を投入しているのが、「スクールカウンセラー」の配置です。(文部科学省‐不登校への対応について [1]
 
スクールカウンセラー派遣校数の推移 [2]
 
いつもありがとうございます。

 

 

 
●効果のなかったスクールカウンセラーの配置
 
>文部科学省では1995年以来、公立中学校を中心にスクールカウンセラーの配置を進め、2005年度の配置校は約1万校におよんでいます。(リンク [3]
>スクールカウンセラーは、不登校や問題行動の対応にあたり、学校におけるカウンセリング機能の充実を図るために設置されたものです。生徒指導上の諸問題を具体的にみると、2004年度の場合、国公私立の小・中学校の不登校児童生徒数は12万3358人、公立の小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は 3万4022件、公立の小・中・高等学校および特殊教育諸学校におけるいじめの発生件数は 2万1671件と、憂慮すべき状況にありますが、スクールカウンセラーの設置はそれら諸問題の発生の抑制に効果を出しているといわれています。(リンク [3]
 
さて、2001年以降、スクールカウンセラー派遣校数を急増させましたが、「不登校どうする?!2~‘07年不登校が過去最高!目標を見失って再閉塞か?~」 [4]で分析したように、2002年以降の不登校生徒の漸減は、「目先の私権収束(→学校に行く意味の復活により学校に行くようになった)」と「目先のゆとり教育(→圧力低下により学校に行きやすくなった)」の相乗効果が大きく、しかし目先ゆえに5年も持たず再閉塞→再び増加に転じたと考えられます。
 
不登校の児童・生徒の割合 [4]
 
統計データ上は、スクールカウンセラーを完備したが、「減るどころか、増加に転じた」という点において、効果はなかったと断定できます。(税金の無駄遣い)
 
●目先収束は、旧観念支配に絡め取られ、悪循環を繰り返す。(→再閉塞)
 
そもそも、「家庭の無圧力化→規範意識の衰弱(外圧に対する適応力の衰弱)→学校や仲間の圧力に適応できない⇒その圧力を否定し、『自由』や『自分』といった旧観念に収束している」不登校生徒ひとりひとりに対し、スクールカウンセラーが“悩み相談”をしたところで、何の役に立つのでしょうか?
恐らく、一時的な心理的苦痛の緩和(目先の不全感解消)にしかならないのは明らかではないかと思います。(適応力の低下を正当化し、役に立たない旧観念の温存を促すに至っては、犯罪的とも言えます。)
 
しかも、最も(47億円も)予算(税金)を投入している一大事業になっていることを考慮すれば、大衆と同様、国家もまた「答えを出せずに目先収束してきた」のだと言えます。最悪、国家もまた欺瞞と「誤魔化しの旧観念」に絡め取られ、免罪を繰り返す悪循環(機能不全)に陥っているのではないでしょうか?
 
「旧観念では免罪を繰り返す悪循環に陥る – るいネット」 [5]より
>旧観念は、言葉のレベルはもとより、そこから始まる行動も含めて、「何も実現できない=人々の役に立っていない」という事実を、周りの目から誤魔化すための“免罪符”にさえなっているようです。こういう観点からも、古代宗教と近代思想の共通項は指摘できますが、もっと恐ろしいことに、現実を否定する意識では、「その認識では人々はついてこない、現実的解決にならない、だからチンケな運動でお茶を濁す、その行動を正当化するためにまた理屈が必要になる」というように、欺瞞とゴマカシの悪循環を繰り返します。
 
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《不登校シリーズ》
 不登校どうする?!1:~不登校は学校の問題か?それとも・・・~ [6]
 不登校どうする?!2:~‘07年不登校が過去最高!目標を見失って最閉塞か?~ [4]
 不登校どうする?!3:~“些細なこと”で不登校になる子供達…問題の本質は?!~ [7]
 不登校どうする?!4:~不登校生徒の頭の中はどうなっているのか~ [8]
 不登校どうする?!5:~家庭の3つの共通構造~ [9]
 不登校どうする?!6:~影の薄い父親~ [10]
 不登校どうする?!7:~家庭の聖域化と母親の自我収束~ [11]
 

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