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学校ってどうなってるの?80~【聴写の効用その1】

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写真1・2:豊玉南小1年生の授業風景。子ども同士で「聴き合う」、
横の関係づくりを大切にしている

学校でどうなっているの?69 [1]: 「学力低下をどうする?!」第3弾にあるように思考とは本来“自分”の頭の中で完結するものではなく、皆の表情を見、話し、声を聞く・・・「やりとり」の中で成されるものであり、「やりとり」を通じて思考回路が形成されたと言うことができる。(「学び合い」 「音読」 「聴写」などが有効なのは、そのためであると思われる。)ここでは特に聴写に焦点を当ててみる。

まずはここから
聴覚とは【同期すると充足する機能】 [2]ではないか 

・サルやヒトの共認機能は、このような緻密な周波数の識別能力を土台にして、相互の発する周波数が「同期」する時に充足回路が強く刺激される、という機能を塗り重ねたものかも知れません。とりわけ心音のビートやリズムが安心感やトランス状態を生み出しやすいのは、胎児期の記憶に繋がっていると同時に、自らの体にも心臓の鼓動として常にそのリズムを持っているからではないでしょうか。

ここでいう共認機能の基礎となっているのは共鳴(共振)機能であり、どうやら人類は聴覚⇒視覚の順で統合しているらしい。出産後、視力の発達とともに既に記憶されている聴覚記憶と視覚情報(母親の顔や表情)を一致させていくことで充足統合されてゆく。そして社会に適応するためには【(視覚=観念回路)よりも耳(聴覚=共認回路)を重視】する必要があります。

では社会に適応するためにどうするのか?どう勉強するのか?具体的に事例を紹介したいと思います。
そのまえにクリック願います

続く 

共認社会に適応するための勉強(聴覚重視型教育)の必要性 [3]について

「鈴木メソード」※バイオリンの早期教育で世界に普及している学習上達法より
いきなり教えない(子供の自発的興味関心を引き出す)
・習い始めた子どもに、最初はバイオリンを弾かせない。させられる学習では身に付かない。先ず子ども自身の動機付けから始める
・親に言われたからではなく、子ども自身が弾きたいと言い出すまでバイオリンを触らせない。それでは先ず何をするか。優れたバイオリニストの演奏をテープやCDで繰り返し聞かせ、耳を育てる事から始めます。
・レッスンは週一回ですが、子ども自身がやる気になるまで毎回見学です。耳だけでなく、目からもバイオリンに馴染ませる。さらに、毎週通っているうちに友達も出来る。それがまた、通ってくる事の動機付けになる訳です。

環境(親)から整える
・母親に習わせる事の目的は二つあって、一つはバイオリンを学んでいく事の大変さを、母親に先ず教える訳です。鈴木メソッドでは家庭での母親の指導を大事に考えているようなのですが、親というのは得てして最悪の教師です。子どもに無理難題を押し付ける。その無理難題をこなせなければ子どもの人格を傷付けるような事を平気で口にする。結果として、子どもの学習意欲はどんどん消耗されていきます。
・もう一つ、幼い子どもは親の真似をしたがるものです。親がバイオリンを弾いている事が、子どもの動機付けの重要なファクターとなっている訳です。

視覚より聴覚を重視
・こうして、やっと子どもが自分も弾きたいと言い出します。子どもの体格に合った小さなバイオリンが用意されて練習が始まるのですが、最初は楽譜を一切使わないそうです。
・先ず耳で聞いた音楽を出来るだけ忠実に再現する練習から始める。
・楽譜を使った練習が始まっても、楽譜を見てバイオリンを弾くのではなく、楽譜を通じて音楽を感じ取り、その音楽をバイオリンで表現する。楽譜はあくまでも補助的な道具に過ぎません。
                      ◆
ここで注目されるのは、①まず耳を作り(本物の基準を体得する)、自発的学習意欲を醸成する ②母親にも習わせる(学習環境作り) ③楽譜(視覚=観念回路)よりも耳(聴覚=共認回路)を重視することだと思われます。

 この例はあくまで特殊技法であるバイオリン習得メソッドではありますが、その方面では相当の成果、実績を上げているようで、学習勉強における普遍的内容も含まれていると思われます。特に現代の学校教育の知識偏重(観念回路中心)カリキュラムとは対局に位置する点でも参考になるといえます。例えば、学校教育では「自発的学習意欲(興味関心⇒自分もやりたいという意欲)」の醸成などはまったく考慮されておらず、そのことによって学習意欲の低下(というよりも半ば学級崩壊状態のような騒がしさ)を引き起こす。結果、十分な学習成果を挙げられない。そして、親は自らは何らかの学習を行っている環境を作らずに口だけで勉強しなさいと言うのみで自らが何かを学んでいる姿勢(学習環境)を示そうとはしない。~以下略~

以上引用終わり

聴いて弾くことは【聴覚野⇒運動野】の回路の強化、そして聴いて文章化することは【聴覚野⇒言語野⇒運動野】の回路強化というように脳を部分使用ではなくより全脳的に活性化していく効果があると思われます。共認原理の社会に転換する今後において非常に重要な勉強の意味といえるように思います。

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