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専業主婦が主流だった世代

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核家族が家庭の主流になったのは第二次大戦後といわれますが、それとセットになってイメージされるのが「専業主婦」。
「専業農家」という言葉から転用された言葉といわれていますが、明治~大正~昭和と家族の歴史を振返ると専業主婦が主流だったのは限られた時期のことだったようです。

今回は、改めて専業主婦の盛衰を明らかにしてみたいと思います。

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●専業主婦の量的な推移
<グラフ>⇒画像の確認 [1]

○50年代半ばから始まる高度成長の過程における、第1次産業から第2次、第3次産業への産業構造の変化は、家族の生産単位としての意味合いを減少させる一方で、都市部に多くの就業の場を生み出した。そしてそれは地方から都市への人口流入をもたらし、そうした人口が新たな世帯を形成した。

○企業に雇用されて働くという働き方が一般化する中で、夫のサラリーマン化、妻の専業主婦化が進行し、夫一人の収入によってまかなわれる家計が増加した。
 夫がサラリーマンである専業主婦(非労働力(無業))の人口は、55年の517万人から70年には898万人に増加し、その割合は30%から36%に増加した。

(以上、平成13年度国民生活白書 [2]より引用)

●世代的な特徴
○「およそ1970年前後にいわゆる「専業主婦」層の数がピークを迎えたと考えられる
 1951-55年頃に生まれた女性たちが最も主婦転換率が高い…47%

○「M字型就労の二つ目の山を主に担っているのはパートとして復帰する層。主婦化の主要な担い手であった1950年代前半生まれの世代は結婚退職後、パートとしての復帰が顕著な層でもある。
1950年代前半生まれの女性たちは、「主婦転換」した世代であると同時に「パート化」した世代でもあり、二重の意味で戦後日本の主婦の特徴をもっとも体現している世代である」

○「専業主婦という在り方は夫の側の被雇用労働形態に、すなわち「職住分離」にともなって登場した

○「専業主婦化を促進する条件は、高度経済成長にともない増加する。同時に専業主婦を要請する条件も、夫が「企業戦士」化することによって強化されていった

○「1960年代から70年代にかけては、サラリーマンの夫が外でフルに働き、妻が家事に専従するという仕組みが完成へと向かった時代であった

「高度成長期にむかっての主婦転換型ライフコースの増加の背景には、自営業・家族従業者の減少、サラリーマンの増加とその賃金や雇用の安定、配偶者控除の制度化などの主婦化を促進する条件があった。加えて、結婚後女性が働き続ける職場も限られていた。配偶者(多くの場合妻)の所得が一定額以下の場合、主たる所得者(多くの場合夫)の所得から控除が受けられるという配偶者控除は、結婚退職制度や社内結婚の禁止とともに、「企業戦士」を家庭で支えるという、女性の主婦化を助長する制度であった。1961年以降導入されたこの制度が、いわゆるパートの「100万円の壁」を生み出すこととなった」

主婦転換・専業主婦化とも1970年代半ばをピークとして、それ以降は減少
婚期女子への労働力需要が高まるのは、高度成長期以降の構造転換後
未婚女子中心の女子雇用形態 → 「サービス経済化」に伴い既婚女性へと雇用が拡大⇒勤続年数の伸長、パート層の増大

(以上、リンク [3]より引用)

●専業主婦に関する女性の意識の変化
<グラフ>⇒画像の確認 [4]

○結婚後も働きたいと考える女性はこの30年間で増加している。
○特にこの10年間で「ずっと職業を続けるほうがよい」と考える「中断なし就業」支持の女性が急増しており,平成14年では,昭和47年の3倍以上となった。
○「子供が大きくなったら再就職するほうがよい」と考える「一時中断型」を支持する者の数も依然多く,平成14年においても一時中断型の支持が最多となっている。

(以上、平成15年度男女共同参画社会の形成に関する状況の年次報告 [5]より引用)

●改めて調べてみると、1970年代、豊かさの実現とともに専業主婦が主流になりましたが、1980年代半ばには既に女性たちの意識の中では主流ではなくなっていたようです。

●女性たちの意識変化をみると、1970年代前半頃には専業主婦を支持する考え方が半数を占めていたが、1980年代半ばには子育て終了後復職するという考え方を含めて、女性が職業を持つことを支持する考え方が主流を占めるようになっており、以降、専業主婦の支持は減少し続けています。

高度成長期を経てサラリーマン家庭の増加とともに専業主婦が増加し始め、そのピークが70年代だったとみなせます。
専業主婦に転換した女性の中心世代が1950年代前半生まれだったのは、結婚相手が団塊世代であったことを示していると考えられます。

●かつて、「亭主元気で留守がいい」という流行語がありましたが、専業主婦の気楽な生活を享受する意識が中心だったのはそこまでで、やることが無いむなしさに気づいたとたん、女性たちの意識は専業主婦を一段下に見るようになってきているようです。

byわっと

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