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「共同保育」って?~共同保育所「子どもの家」~

家庭は密室化が進み、もはや子を育てるという機能を失っています
家庭はもう崩壊寸前 !学校はすでにガタガタ !!
では、なにを教えてゆけばいいのか。どこで、どうやって、誰が、育ててゆけばいいのか。

そのヒントを探るべく…保育所について調べて見ました

保育所とは、児童福祉法に基づき、国または都道府県が設置するよう定められている施設のうちのひとつで、保護者が働いているなどの何らかの理由によって保育が欠ける子供を一日ごとに預り養育することを目的としています。設置主体は公立・私立だったりするみたいです

その保育所の中でも、乳幼児をもつ親たちが集まって私設の保育所を作り、共同で保育を行うという共同保育に興味を持ち、共同保育所ってどうやって運営されているんだろう…?と思い立ち、調べてみました

今日は船橋市で1971年から年運営している共同保育所「子どもの家」 [1]をご紹介いたします。

応援宜しくお願いいたします

子どもの家では、0歳児~2歳児を預かっており、定員15名に対し、保育スタッフは5~6人で構成しているとのこと。

「子どもの家の歴史・役割」として、

1971年
働き続ける母親たちのために、当時行政では行っていなかった「産休明け保育」を実施。父母の手で創立、自ら運営されました。

運営基盤が十分でなかった当時最も苦労したことは、保育体制が十分でなかったこと。
保育者の突然の退職などもあり、当時の父母自らが保育に当たることもありました。

その後「共同保育」の名のごとく、役員のみならず全員で運営に携わっていこうという意識が生まれ親の意識が変化。単に子どもを「預ける」ということから保育内容の充実を図るために人材の確保を重視。

と始まっています。

子ども達が育つ場に対するスタンスにも違いがあるんだ…と思いました
預けっぱなしだと、使い勝手が便利とか、施設・設備が充実などサービス重視だったり、よりサービスが良くて安いなどのコスト重視の視点がつい優先されてしまいがち 終いには「なんとかしてよ!」的な要求ばかりになったり… だけど、全員で運営に携わるとなったら…。要求ばかり言ってられないし、どうしてゆくか?と考えていかないと、子ども達が育ちませんよね

共同保育を実現させるには、子ども達が育つ場をプロと共に親達が自らつくるという基本姿勢と人材の確保がポイントのようです

続いて、
共同保育所「子どもの家」 [1]のHPの中から、
運営の柱となっている■子どもの家 8つのこだわりと一つの大切■を紹介します。

■子どもの家 8つのこだわりと一つの大切■

★ 人と人との関係にこだわります<全感覚機能の発達>
 赤ちゃんは、産休明けから入所してきた時点で、すでに全感覚機能に反射が形成できる状況にあります。特に視聴覚は大切な感覚機能です。優しい声、表情で語りかけ、機能の発達を促すようにします。
 昨今は、テレビやビデオなどを早期に子どもに与える傾向があります、映像からの受身な情報は、脳の発達のバランスを欠くという指摘がされています。子どもの家では、保育にバーチャルな世界は必要とせず、人と人との関係を大切にします。

★ 散歩、外気浴にこだわります。<心身共に健康に>
 健康な身体づくりのために、薄着にこころがけ、日光浴や散歩を積極的に行っています。
 散歩で丈夫な身体、季節の移り変わり、小動物との出会い、地域の人々との触れ合いで心の発達、情緒を豊かにします。夏は水遊びです。

★ 発達の過程にこだわります。<運動機能の発達>
 0歳児期の発達は特にめざましいものです。とかく早く歩くことに目を向けがちですが、早く歩いたからではなく、歩行に至るまでの過程を大切にします。1歳児、2歳児とその年令の発達の特徴をしっかりおさえ、発達の節目とすじみちを遂げさせ、しっかり発達できるようにします。

★ 個人別の離乳食の計画にこだわります。<自前・手作りの食事>
 子どもの発達には、特に食事が大切です。離乳食は、忙しい親にとって悩みの種です。個人別の離乳食の計画をたて、どの子もなんでもしっかり食べられるよう進めます。
 子どもの家では、産直野菜を取り入れ、季節感を大切にしながら、おいしい安全な食材を使用し、手づくりの給食、おやつを提供し、食育を視野にいれ、食べることを大切にしています。アレルギー食の対応もしています。(アレルギー食も含めて給食は保育料に含まれています)

★ 布おむつにこだわります。<排泄感覚機能の獲得>
 快、不快の感覚機能を奪う紙おむつではなく、布おむつにこだわり、排泄の感覚機能をよりリアルに体験させ、自立を促します。(布おむつはリースで保育料に含まれています) 

★ 職員の資質の向上にこだわります。<保育力量と信頼関係>
 職員間での学習と検討による資質の向上にこだわり、県、国レベルでの研修に毎年継続的に取り組んでいます。さらに安定した職員の体制を大切に、職員間の笑顔と信頼関係をつくることにこだわります。また、職員と園児の比率は 1:3以上です。

★ 親と保育所が一体となった子育てにこだわります。<共通認識>
 子どもの健康と安全はもとより、月齢、年令にふさわしい育ちができるよう、毎日の連絡ノート、保育計画、おたよりなどで、子どもの様子を知らせ、共通認識の中で、その時々の大切な保育の方向を考えます。

★ 保育相談にこだわります。<地域に開かれた保育所>
 子どもの家は「子どもは地域の中で育つもの」との立場から、地域に開かれた保育所です。どなたでも、子どもの育ちの相談や保育所への入園の相談等なんでもご相談下さい。

☆ 子どもの家は子どものためには多くのこだわりを持っていますが、同時に「こだわらない大切さ」もあります。
  さまざまなこだわりを持ちながらも、画一的な考えは持っていません。いつも目の前の子どもの状況、親の働く実態を考慮しながら、その時一番の方法を柔軟に考えて対応しています。
  病気や発熱時の対応も、その子の通常の健康状態を把握することで、画一的ではない対処ができます。
 大切なのは、子どもの健やかな発達と、親が安心して働き、預けられる保育所としての在り方です。

8つのこだわりと1つの大切。これらは、特別に目新しい内容では…ないですよね ?だけど、「育つ基礎」を作るには大切なこだわりだなぁ~ と思いました
現代の母親が行なうひとりぼっちの子育ては、「優しい声、表情で語りかけ… 」「早く歩いたからではなく、歩行に至るまでの過程を大切に… 」とか「食べることを大切に… 」「機能の発達を促す快、不快の感覚機能を奪う紙おむつではなく、布おむつにこだわり、排泄の感覚機能をよりリアルに体験させ、自立を促します 」とか、あたりまえそうなことが出来ない。
なぜならば、子育てに対する基礎認識もそれを補強する知識も、方法もアイディアも貧弱だから

規制緩和によって保育所運営を民間企業へ委託するなどの流れが起こっていることもあり、親の保育の質への注目は高まっています。
そのような中で、こういった「育つ基礎」を構築することへの期待やその体制そのものへの期待も高まっていくように思います
その中で「共同保育」という保育体制も注目されてゆくのではないでしょうか
今後も、継続して事例を調べて見ようと思います!

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