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学校ってどうなってるの22 ~中間まとめメモ2

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これまでの「学校ってどうなってるの?」シリーズでの検討や、「江戸時代の教育事情」 [1]
「江戸時代の教育事情~戦前まで残っていた若者組」 [2]「国による教育 明治時代~現在」 [3]
 を参考に、再度中間まとめを行ってみたいと思います。

教育は、その時代時代の社会状況、とりわけ外圧に適応すべく成されています。次回以降は、江戸時代(それ以前?)から現在、そして、将来に渡る外圧の変遷をベースに、それに対応した各時代の教育制度の変遷をまとめると同時に、今後どう変わっていけばよいか?に結び付けたいと思います。
・・・今回は、叩き台として、まず最終的な全体イメージと、追加調査課題について考えてみました。

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※以下のまとめで「 」は疑問点→新たな調査・追求ポイント。
※学校と並ぶ教育の場である「家庭」=最小集団のあり様もポイント。

①江戸時代

【外圧】
・鎖国→国家間の外圧も、国内の私権闘争圧力もなし。

【最小集団】
・江戸などの都市部では一対婚夫婦 、農村部では村落共同体

【教育の目的】
・社会の安定

【主な教育制度】
⇒学問・・・・・・・・・・・・・・・・・・「寺小屋」(農村部ではお寺が担った )その後は「奉公」しつつ学ぶ。
⇒規範教育、人格形成・・・・・都市部では「寺小屋」で国学・儒学教育
・・・・・農村部では「若者組」  

【その他】
・「寺小屋」は個人経営であり、師匠は武士、医者、僧侶、神官など。学費も経済力に応じ柔軟。
・当時、高齢者は、いかに若者に知恵を授け、元気にさせ、育てるか?を規範としていた。「江戸しぐさ」より。(「るいネット」 [4] )
・「士農工商」は、序列制度というよりは、役割分担に近いものであったらしい。(「知られざる人類婚姻史と共同体社会」 [5] )
・江戸時代は究極の循環型社会・・・・私権闘争社会なら自然破壊が進行したはず。(「るいネット」 [6] )

江戸時代の教育は、私権追求のためと言うよりは、社会に貢献する若者を育てるためのものであり、社会の安定を目指したものでは

・鎖国下にあって、江戸時代の繁栄を支えた活力源=圧力源とは何か
・「寺小屋」や「若者組」の他に、藩校や、幕府直営の学校もあった。その役割は

②明治~大東亜戦争まで

【外圧】
・明治維新⇒諸外国からの主に軍事的な外圧(国家間私権闘争)

【最小集団】
・大家族(農村では村落共同体)

【教育の目的】
・対外的な外圧に対抗するための国家統合のため・・・「富国強兵」~「軍国主義」
・天皇を中心とする家族国家建設(個人滅却)

【主な教育制度】
⇒学問・・・・・・・・・・・・・・・・・・明治5年より「学制」
                  +私学(当初の「建学の精神」とは )
                  +「学習塾」の先駆け登場(学習塾の歴史 )
⇒規範教育、人格形成・・・・・「教育勅語」による規範教育の具体内容

③敗戦後~1970「貧困の消滅」まで

【外圧】
・諸外国との市場経済での国家間私権闘争圧力
・市場における個人間の私権闘争圧力

【最小集団】
・家族→核家族化(農村から都市への移動)

【教育の目的】
・裏→GHQによる民主化政策・・・教育を国家から切り離し、教育委員会へ。学校教育を通じての個人主義教育。
・表(大衆意識)→戦後復興(アメリカに追いつけ)、「国」と「家族」の豊かさ実現

【主な教育制度】
⇒学問・・・・・・・・・・・・・・・・・・公立学校、私学、学習塾の拡大(「公文」は1954年より)
⇒規範教育、人格形成・・・・・核家族化の進展で規範教育の場の喪失

④「貧困の消滅」~2000年まで

【外圧】
・生物史上はじめて生存圧力を克服し、外圧不在の特異な30年間

【最小集団】
・家庭の崩壊→片親世帯や単身世帯の増加
・家庭は聖域化し、無圧力の密室家庭による精神破壊(自己中化)の進展。

【教育の目的】
・序列原理崩壊に伴う目先の私益追求・・・・バブル崩壊後は急速に私権衰弱し、教育の目的も喪失・・・迷走が始まる。

【主な教育制度】
⇒学問・・・・・・・・・・・・・・・・・公立学校、私学、学習塾、通信教育(受験のためだけの勉強)
⇒規範教育、人格形成・・・・・ほとんど失われた。

⑤2000年~現在

【外圧】
・収束不全⇒国家間の認識闘争圧力(日本は出遅れ)

【最小集団】
・更に家庭崩壊→片親世帯、単身世帯の急増。
→精神破壊(自己中化)は更に進展し、「モンスターペアレンツ」の出現。

【教育の目的】
・迷走・・・・学校は何を期待されているのかわからなくなった←子供に必要な能力が何かも見えない。
・一方で、社会的な自己中化の流れの中で、危機感から、自己中は敵⇒規範教育の必要意識が徐々に顕在化しつつある。( )

【主な教育制度】
⇒学問・・・・・・・・・・・・・・・・・親は学力を「学習塾」に期待。
⇒規範教育、人格形成・・・・・親は「学校」に学力よりも人間性の教育を期待。(「学校ってどうなってるの21」 [7] )
・・・・・「私学」も規範教育・人格形成に力を入れはじめた。(「私学」の現在の外圧は )

⑥今後・・・・

※そもそも収束不全⇒認識闘争の時代に必要とされる能力=教育内容
※学問を担うのは「学校」か「学習塾」か ・・・・先進的な「学校」「学習塾」の事例は
※今や親の期待は「規範・人格」>「学力」 ・・・・つまり、密室家庭の限界を自覚しつつある。⇒規範・人格教育の場としての共同体の再生 (江戸時代の「若者組」のような・・・)

・・・これを叩き台に進めていきたいと思います。

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