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2007年08月11日

3歳児神話って本当なの?④・・・“模倣”による成長

今回で最終回です! :tikara:

前回では、髄鞘による回路の固定化とネットワークについて見てきました。

今回は、3歳までにはどんな意識が形成されるのか?ということを、その後の成長とも合せてみていきたいと思います。

前回も紹介した記事の後半には、それに関するなかなか面白いことが書かれているので、その中から抜粋した記事を紹介しますね :wink:

まずは、シナプスのネットワーク化と変曲点のお話し :roll: から・・・

中枢神経系としての脳の機能は、その部位により中枢機能が分業化していることは以前から指摘されている。要約すれば、後頭葉には外界との接点となる感覚受容器の中枢が局在し、前頭葉には高度の精神機能としての思考や意志決定などの中枢が局在している。

 このような脳の機能の局在性の中で、140億とも160億ともいわれれる脳の神経細胞は、個々に独立して機能を発揮しているのではなく、お互いにつながりを持ち合ってその機能を総合的に発揮する。それぞれ異なる機能を持つその神経細胞がお互いつながりを持ち、回路を形成するとき、言い換えれば、シナプスを形成するとき、成人に達すると、1個の神経細胞は他の1000個の神経細胞とつながりを持つようになることが指摘されている。この神経細胞の回路であるシナプス形成が、脳の機能の発揮となると言われているものである。

シナプス形成という観点での脳の成熟にはいくつかの節目があるといえる。それはおおよそ3歳前後、6歳前後、10歳前後の3箇所に変曲点があるといえる。まず、成人(20歳)のシナプス形成を基準として考えると、それを100%とするならば、最初の変曲点である3歳頃には既におおよそその60%が形成されており、次の変曲点である6歳頃にはおおよそその80%のシナプスが形成されていると指摘できる。さらに、その次の変曲点である10歳頃には95%以上のシナプスが形成されているといえよう。言い換えれば、3歳で大人の6割、6歳で大人の8割、10歳でほぼ大人に近いところまでシナプス形成は育ってきているといえる。

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3歳頃までに出来上がる最初の6割のシナプス形成は後頭葉を中心にして生じ、起きている間に最も多く接する人たちの影響すなわち模倣でどのような回路が形成されるかということが決まってくるということである。これは自分の身の回りの人や出来事という「外」の様子を模倣することによって、自分の「内部」のシナプスのでき方が左右されるということであり、それは外にあるものを自分の内側に取り入れること(以下「外→内」と表す)によりシナプスが育つといえるものである。例えば、既に述べたように、2才から3才頃になると言葉の発達も著しいものがあるが、この言葉の獲得も「外→内」の模倣でシナプスが形成されていることである。このような模倣によるシナプス形成は3歳を過ぎると徐々に減少しながら10歳頃まで続くといわれている。

3歳前後の6割の節目を受けて、6歳頃までの8割のシナプス形成に向けていくわけである。6割までが「外→内」の模倣が中軸になって育つのに対して、6割を過ぎると「内→外」へと矢印の向きが逆転してくると言われる。
即ち、自分の外界のものを自分の内側にそのまま素直にとり入れる「模倣」によって育つシナプス形成に対して、6割以降のシナプス形成は、自分の身の回りの人や出来事に対して、自分がなにかをすると身の回りの人や出来事はどうなるのか、自分に対して身の回りの人は何をするのか、どんなことが自分にはね返ってくるのかなどを試し始めるが、その「試し」と「はね返り」によって、どのようなシナプスができるかが左右されると言われる。それは、自分の「内面」にわいてくる思いを、自分の身の回りという「外部」に向かって出すと、その「外部」から何が自分に返ってくるか(「内→外」と表す)ということを試していることである。それらは、例えば、自分がこうすると相手はどうするかという人とのかかわり方の試しであったり、表現のし方の試しであったり、感情の出し方の試しであったり、自分の欲求の通し方の試しであったり、すべきことやしてはいけないことの限界の試しであったり、等など様々な試しを行う。

先述した6割のシナプス形成以降のシナプス形成は、この「試し」とそれに対する「はね返り」に基づいて、それに対応する神経細胞の軸索が伸び、シナプスが形成されていくと言われる。即ち、「内→外」の試しの中で、人とのかかわり方、表現のし方、感情の出し方、欲求の通し方、望ましさの判断のし方、自立のし方などの思考や行動や感情にかかわるシナプスが形成されていくのである。従って、量的には6歳前後にその個人のシナプス形成の8割ができるといわれるが、どのような環境で、どのような試しをし、どのようなはね返りを体験するかによって、一人ひとりに出来る神経回路は異なってくる。
 遺伝的要素は同じと考えられる兄弟姉妹においても、人格や性格や思考や行動や感情などの精神活動が異なるのは、それぞれが味わう「試し」の違いや「はね返り」の違いによるシナプスの出来方の違いによるものと言えよう。

 そして、その「外→内」から「内→外」へと矢印の向きが変わってくる境となる3才頃になると、6割完成の信号を出してくるのである。それが内から外へという自己主張である。この「内→外」という自己主張が強く出始めると反抗期という用語を用いるが、実際は、「反抗期」というよりも「試し期」というほうが発達の実態に合うものといえよう。
このように、小学校入学前後までに「内→外」への「試し」によって、一人ひとりのその人の成人としての育ちに対する8割程が出来あがってくるのである。自分の内面に生まれてきたものを外に出し、そのことに周りから何がどんなふうに返ってくるかということを試すという「試し」は、前述の髄鞘形成で述べた10才頃の意識の確立まで欠かせない重要な活動といえる。

なるほど! :shock: 3歳までは、“模倣”をして外界から様々なことを吸収していく期間なのだ!

その外界とは、主要には母親で、特に乳幼児期は母親の影響が絶大!母親とのスキンシップによる安心感(=親和充足)を母体に、母親が笑いかけたり、話しかけたりすることで、笑顔や言葉を模倣し、吸収していく。共認充足の初期段階ですね。

逆の場合は、サイレントベビーという笑わない、泣かない、無表情な赤ちゃんとなる・・・ことからもその重要性が分かります!

模倣については、「人間は他人の行動を自分の行動のように感じ、他人と同じ状態に自分を置くことで、他人の行動を理解できる。」という、外界の情報に鏡のように反応する“ミラーニューロン”も関係していそうです。詳しくはこちらを参照下さい。

3歳以降は、発信し、その評価を確認していく時期と言い換えることができると思います。
但し、この場合も3歳までの(親和⇒共認)充足経験がとても重要です。
その基盤がなければ自身の非充足経験に囚われるあまり、“警戒心”が先立って、中々、仲間とうまくコミュニケーションが取れなかったり、自分勝手な行動で、仲間から敬遠されたりします。
さらに、その非充足経験が仲間に対する否定視や警戒感をさらに高めていき、心では求めても、頭では否定しているという分裂状態で苦しむこともよくあります。
今回見てきたように、脳の神経回路はネットワーク化されすべて繋がっています。そして、その形成過程には一定の順序があることから、初期の順序を間違えると後々大きな影響を及ぼすことは容易に想定できることです。
ですから、“3歳まで”という意識形成上重要な時期の育ち方は非常に重要だということは明らかで、その意味で3歳児神話というのがいわれてきたのだと思いました。
但し、3歳という年齢に拘るのではなく、「より初期の方が深く意識に影響を与える」ということが重要だと思います。

ここまで、読んでくれてありがとうございます。 :D

投稿者 sashow : 2007年08月11日 List   

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コメント

こんにちは。

子供が生まれた時のために、是非参考にさせていただきます。

ところで、私自身は30代なのですが、30になると、シナプスはどうなのでしょう?やはり、衰えていくのでしょうか?模倣や新しいものを学習するのは、やはり若い頃に比べて難しくなりますか?

投稿者 アキツグ : 2007年8月13日 00:22

アキツグさん、ありがとうございます!

30代ですか。
む~ぅぅ、むずかしい質問ですね。
推測ですが、
脳神経細胞は、基本的には生まれてから死ぬまで“数”は変わらないということからすると、シナプスの繋がれ方や髄鞘による固定化or強化に可変性があると思われます。

ですから、30代でも何歳でも、同じ回路を使い続けると、その回路は強化・固定化されると思われます。

よく、“この性格変えたい!!”と言う人がいますが、上記からすると可能だということです。また、若い人ほど固定度が低いので、変えやすく、逆に、年を取るほど難しくなということだと思います。

30代はまだまだ、“いける”と思いますよ(笑)

私の場合でも、(年なので時間は掛かりましたが)徐々に性格が変わっていることを実感しています。

投稿者 sashow : 2007年8月14日 00:22

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