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睡眠と脳回路の関係


こんばんわ。かわいです。前回の

保育園児の76・6%が、朝から疲れてる! [1]

という調査記事の続きとして、少し調べてみました。睡眠と脳回路形成の関係性。

気になる答えは、ボタンクリック!

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なぜ、眠たくなるのか? [3]

睡眠の理由は、

「体を休める」
「大脳を休める」
「(外部刺激をシャットアウトして)記憶を整理し、補強する」

の三つの理由から。

寝るのはなんで? [4]

睡眠は,生物界に広くみられる活動と休息のリズム現象を基盤に発達してきた。そして,脳の進化とともに,大きく発達した大脳をうまく休ませる機能が拡張されてきた。
睡眠は単なる活動停止の時間ではなくて,高度の生理機能に支えられた適応行動であり,生体防御技術でもある。
熟睡は事前の必要量から割り出され,その量は寝入りばなの3時間ほどのあいだに優先的に実現する。(睡眠の役割 日本睡眠学会 [5]

1日3時間ちょい寝れればとりあえず健康的に生きていける

なんと、睡眠に本当に必要な時間はたったの3時間! 😯
でも、実際にはその日の活動状況に応じて必要なだけの休息を身体が調整してくれるという事なので、必ずしも3時間で良い、という訳ではなさそうです。 😉

眠るための環境 [6]

 記憶も、大きく二つに分類される。ひとつは歴史の年号を覚えたり、出会った人の名前を覚える「頭の記憶」、もうひとつは自転車の乗り方やはしの持ち方といった「体の記憶」。興味深い研究結果がある。就寝前に「体の記憶」に関する学習を行うと、レム睡眠の時間が長くなる。また、ノンレム睡眠の時に声をかけるなどして睡眠を邪魔すると、就寝前の「頭の記憶」に障害が出ることがわかった。つまりノンレム睡眠とレム睡眠は別々の記憶と関係していて、ノンレム睡眠は「頭の記憶」、レム睡眠は「体の記憶」に関係していたのだ。

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記憶力アップには学習後の睡眠が重要 [8]

★まどろむ波とせわしない波
 脳の電気的な活動の様子をとらえたものが、脳波だ。波の回数が1秒間に10-13回(ヘルツ)のアルファ波を中心に、それより回数が多く、せわしない波がベータ波(13-30ヘルツ)とガンマ波(30-100ヘルツ)だ。反対に回数が少なく、ゆったりした波がデルタ波(0・5-4ヘルツ)とシータ波(4-10ヘルツ)。 
 安静にして目を閉じたときに出るのが、アルファ波。目を開け、頭の活動が活発になればベータ波になる。
 ぐっすり眠っているときには、デルタ波が出る。
 「うとうとと、まどろむ状態がシータ波で、ガンマ波は脳の活動が非常に活発な時に出ます」
 
★中高年でも増える
 どんな風に重なり合うのか。
 「ちょうどガンマ波がシータ波に乗っかる形、例えばシータ波の谷ではなく、山の部分だけにガンマ波が現れる形になります」
 この特殊な脳波がGABAを放出させ、さらにGABAが海馬の神経細胞の元になる神経幹細胞を刺激し、新生の神経細胞をどんどん増やすというのだ。
 
★勉強の後は寝ること
 「勉強したら、よく眠ることです。おススメはまどろむ状態の昼寝で、その時には単なるシータ波ではなく、記憶に役立つシータ・ガンマ波が出ています」
 脳科学的にみれば、もともと睡眠は起きているときの記憶を固定させる働きがある。
 「しっかりと記憶するには、シータ・ガンマ波が何度も海馬をかけめぐる必要がある。勉強後に眠れば、復習したときと同じように効果があります」

さて、ざっくりと睡眠と脳の関連性を調べてみましたが、整理するとこんな感じになります。

・浅い眠り=レム睡眠:脳波 アルファ波とシータ波。身体の休息になるが、大脳は起きている。
・まどろみ=レム睡眠~ノンレム睡眠の間?:脳波 シータ・ガンマ波。海馬の神経細胞増殖に関係!
・深い眠り=ノンレム睡眠:脳波 デルタ波の状態。大脳も休息。

そして、睡眠は生物にとって自然のリズムとの同調をはかる重要なシステムである。

では、この睡眠が阻害されると子どもにどんな影響を与えるのか?

小児うつ [9]

小児うつとは5歳くらいまでに現れる症状で、行動の不活発、母親の目を見て話せない等のコミュニケーション不全が現れ、一見自閉症とよく似た症状を示す。
この『小児うつ』の原因の大半は5歳位までに夜十分に睡眠をとっていない、もしくは睡眠時間が不定期な状態に長期晒されることによる。
そのような不十分な睡眠状態が続くと脳は不活性状態になりやすい。というのは、このような状態では、脳内に脳細胞の休息を命ずる物質が分泌される。加えて抑制物質であるセロトニンが分泌されることにより脳内伝達物質の分泌量そのものが抑制される。脳内神経が最も発達する3歳くらいの時期にこのような不活性状態が続けば、脳内の神経ネットワーク形成が不十分となり、その結果その後も脳活動そのものが不活性な状態が恒常化する。

という事で、前回紹介した朝から疲れている子どもというのは、実は小児うつ予備軍といっても過言ではないのかもしれません。

また、今回の探索で得た気付きとして大きいのが、「まどろみ」の時間。これは、睡眠の重要性というよりも、心の充足、安心感に包まれた状態を保てるかどうか、という事のような気がします。心が開かれている状態であれば、同化回路もしっかりと作動し、学習に応じて記憶回路(海馬)も活性化する。一方で、その逆=恒常的な不全状態である場合は、睡眠障害、同化障害に陥り、うつ症状になると海馬は逆に萎縮してしまう。

もう一つ、レム睡眠は、未熟な状態で生まれてくる動物ほど長いという事が解っている。人の場合も誕生直後のレム睡眠は最も長く、一日18時間くらいのレム睡眠を繰り返しており、成長するにつれてレム睡眠の時間は縮小していきます。また、レム睡眠の時はニューロン活動が活発化しエネルギー消費量も多く、寝ている間に急速に脳回路が形成されていると考える事ができます。

人間の場合、胎内での成長よりも生後の共認回路形成が脳回路の発達上とても重要な意味を持ち、特に赤ちゃんの時に母親の肌に触れ、声を聞き、安心感に包まれたレム睡眠を取れるかどうか、というのが心の育成に大きく反映されると言えそうです。

という事で、人間にとって睡眠は重要な要素である事は間違いありませんが、睡眠も含め周りの環境、自然のリズムとの同化、そして心の充足とセットになって、初めて健全な脳回路が形成されていく、と考えられます。

さて、睡眠といえば、も一つ気になるのが「体内時計」ってなに? 🙄
次の方、お願いしま~す。

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