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子供たちの本物の思考力を培う① ~本格コースその取組~

教育再生会議では様々な議論が繰り広げられ、1月18日に「七つの提言 [1]」としてまとめられました。

「七つの提言」は、
①ゆとり教育見直し、②規律ある教室、③規範意識の徹底、④教員の質向上、⑤保護者や地域の信頼に応える学校、⑥教育委員会の見直し、⑦社会総がかりでの教育

どれも、現在起こっている問題の裏返し?といった提言で、とても本質の問題を突破する答えには程遠いという印象です。

教育の意味は、このブログでも散々言われていますが、大きくは「社会に出て適応する」そのための思考力を養うということです。めまぐるしく移り変わる社会の変化に柔軟に対応できるという意味で本物の思考力です。

そこで、本物の思考力獲得を試みている学習塾を紹介します。

読売新聞に『教育ルネサンス』という特集記事が昨年から連載され今も続いていますが、連載初期の頃、「対話がはぐくむ思考力」と題して、『るいネット』の母体である類グループ傘下の「類塾」という学習塾の取組が紹介されました。(リンク [2]
上記授業:「本格コース」では、このブログでも度々紹介している『類塾ネット』というインターネットを活用した授業という新たな方法も実践し、かなりの成果を挙げているようです。

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異年齢の対話を通して思考力を鍛える塾がある。
 机が円形に幾重にも並んだ劇場のような会議室で、「国破れて山河在り……」と講師の矢野悟さん(24)が杜甫の「春望」を朗読する。それを子供たちが復唱した後、書き取った。

 大阪府で25教室を展開する学習塾「類塾」本部で、11日に行われた「本格コース」の特別講座。新年度に向けたオリエンテーション的な授業だった。コースの目的は柔軟な発想ができる本格的な思考力の養成だ。

 90分の授業のうち、最初の30分は聴く力や話す力を伸ばす準備にあてられる。漢詩の書き取りもその一つ。深呼吸の仕方も訓練する。そうして集中力を高めた後、受講者と講師が様々なテーマで対話を進めていく。「環境問題って、どんなものがある?」という問いかけに、「酸性雨」「オゾン層の破壊」「熱帯雨林の減少」と受講生から次々に声が上がった。「じゃあ、酸性雨って、何で起きるんだろう?」と対話は続く。

 実は、この日の受講生25人は、小学3年から中学2年までと幅がある。実際の募集対象は、小学4年から高校3年まで。「同世代では出てこない意見を知ることも大切」と年齢差も織り込み済みの授業だ。

 対話のテーマは大別して、社会問題と教科につながるものの二つになる。例えば理科だと「燃える」。「燃えているものを消すには水をかけ、温度を下げればよい。しかし、水中でも燃える金属があり、氷点下でも燃える。それは、なぜなのか」。「なぜ?」を追究し、普段考えないようなことを、立ち止まって考える時間を作る。

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 1975年の開塾以来、公立難関高の進学実績を売り物にしてきた類塾。だが、広報・募集室長の北村浩司さん(45)は「学校の勉強や受験勉強は、現実の社会生活や仕事からかけ離れている。将来、役に立つ本格的な思考力をつけさせたいと考えた」と進学塾らしからぬ説明をする。「塾は、学校の足りない部分を補う所。求められる役割が変わってきた」とも。

 若手講師らのプロジェクトチームで議論を重ね、たどりついたのが、対話型授業だった。「思考力は、相手の考えを受け止め、自分の考えを述べる対話によってはぐくまれる」「周りに発信すること自体が思考訓練になる」との考え方だ。

 担当講師の安西(やすにし)伸大さん(32)も「自分の考えに反応が返ってくれば、子供たちのやる気が違ってくる」と考える。

 しかも、議論そのものは週1回の授業で終わるわけではない。新たな意見や話し合いで生じた疑問は、インターネットの専用サイトに投稿する。こうした文章での投稿にも相手を納得させる対話力が必要だ。サイトは4月から塾外からも閲覧できるようにして、一般の人も巻き込む予定になっている。

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