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いじめの事例と分析(その2:中学校編)

昨日報告した、この抗争?は中学校に進学しても止まらず、やがていじめ問題に発展します。

H子は、中学入学直後から、「M子は小学校の時にいじめをしていた」と流言を始める。この頃から、M子の唯一の友達だったS子に近づき、「M子がS子のことを○○と言ってたよ」等と吹き込み、M子からS子は離れて行ってしまう。

ここから、M子に対する「イジメ」が始まる。H子を中心に同じ小学校出身の生徒達が、すれ違う毎に「うざい」「死んだら」「きもい」とつぶやき、たむろしている前をM子が通ると聞こえるように同様の言葉を言い合う。
(表向きにはM子のことじゃないよ~ってな感じで)
ある日、その中にS子がいるのを見て、ついにM子は「学校行きたくない」と両親に訴えた。

⇒イジメの完成!

その先はポチの後

このM子の父親が私です。

ここに至るまでに、M子から話を聞いておおよそ把握していた家内が、先生に相談していたが埒が明かず、ついに、本人が「もう学校行きたくない!」と言い始めました。

⇒不登校完成

先生は、一人づつ呼んで事情を聞いたり、手は尽くしてくれ、「M子に皆からそれぞれ誤らせましたから」等と報告してくれていたようですがこの結果です。

私は、先生に「皆さんを呼んでください、一緒にお話ししましょう」とイジメた生徒達と親御さんを呼んでいただきました。

その場で、H子は泣くばかりで殆ど話が出来ず、その他の子は「もう言いません、ごめんなさい」と親に促されて謝罪。
これでは、何も変わらないと感じた私は、「H子さんが何も話してくれないと、何も解らないんだよ」「H子さんの影響で皆が反応しているんじゃないかな?」と続けました。
生徒達は頷く。

この様子を見て、H子の父親が話し始めます。
H子父:「どうも君の影響は大きいみたいだね」「どうだ?知っていたかい?」
H子:「・・・・・・」
H子父:「この事は君の責任において理解しないといけない」「これからどうする?」
H子:しばしの間を空けた後「わかりました」

その後半年ほど過ぎました。あからさまなイジメは表出しなくなり、M子は部活の仲間に支えられて元気になっています。M子は、「H子達は、ヤバイから手を出さないって感じ、もう関係無いけどね」と言い放つ。
これで本当に良かったのかな?しばしの不安を抱えつつ見守っています。

随分長くなりましたが、この出来事の中で、明らかになった事が幾つかあります。

原因1:個人主義の突き放し系父親
H子の父親には強い違和感を感じました。「君の責任において」「どうする?」とまるで他人と話しているようでした。H子はこれまで随分と寂しい思いをして育ってきたのでしょう。
個人主義の親
⇒子供は人一倍「居場所=自分の仲間を欲する」
⇒居場所確保のために「イジメ」に走る

原因2:教師の個別対応
小学校でも、中学校でも、先生の対応は共通して生徒一人一人に向き合う。
結果、小学校では先生がイジメの原因にもなっています。中学校では無力でした。
このことからイジメを当事者だけの問題と捉えている以上は何も改善しない事が分かる。
ましてや先生が自分で何とかしようとしても無理。

みんなで考えて取り組んで行くしかない
⇒関係する生徒みんなで考える
⇒クラスみんなで考える
⇒学校みんなで考える
⇒親も入ってみんなで考える
⇒⇒みんなの課題にする=一人の問題なんか無い

原因3:低年齢での仲間教育が大切。
この事例では、まず、小学校でH子が転校してきた時点で、転校生をクラスの仲間としてどう取り込んでいくか?この課題が欠落している。

⇒「みんなでどうしていくか?」といった仲間教育を低年齢から子供たちに与える事が必要なのだと思います。

整理してみた原因を通じて言える事は、
「みんなで考えて、決めて、やって見て、上手くいかなかったらまた考えてみる」
生徒たちに、この経験をさせながら、教師も一緒に学んでいく。

今、教育現場には「仲間教育」「共同性の再生」が必要とされていると思います。

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