高校生にとっての将来なりたい職業は、時代とともにどのように変化してきたのでしょうか。
ベネッセ「チャイルド・リサーチ」より、1980年、1992年、2003年における高校生のなりたい職業の調査 [1]によれば・・・
2003年調査で選択率の高い職業は、
①地方公務員:29.1%
②小学校の先生:20.4%
③医師:15.3%
の順となっており、逆に選択率の低い職業は、
①マンガ家:5.5%
②腕のよい大工:6.5%
③新聞記者:8.4%
という結果になっています。
ベネッセによれば全体の傾向として「安定志向が強い」と分析されていますが、一流企業の社員が15.0%(4位)となっていることからしても、確かにその傾向はあるでしょう。
しかしそれだけではなさそうです。1位の地方公務員は1980年でも26.9%(2位)の選択率であったことを考えると、その他の固有の職業が軒並み選択率を落としているだけということが伺えます。裏を返せば、高校生にとって
特になりたいと思う職業がなくなった
ということの現われではないでしょうか。
次に注目すべきは、学者やマスコミ関係の凋落です。 😯
①大学教授-1980年:26.1%→1992年:16.1%→2003年:8.7%
②新聞記者-1980年:23.8%→1992年:15.2%→2003年:8.4%
③アナウンサー-1980年:20.4%→1992年:18.9%→2003年:11.7%
1980年は様々な職業が選択されており、上記の職業が特に人気が高かったわけではありませんが、1992年→2003年に見られる凋落ぶりは興味深いものがあります。高校生にとって上記職業が魅力を失った理由は何でしょうか?
家庭の崩壊や学校の崩壊をはじめ、社会不全の増大を体感している高校生にとって、テレビをつければいつも出ている大学の教授やマスコミは、危機感を煽るだけでまともに答えを出すことができない、社会にとって役に立たない存在であることを徐々に感じ取っているのではないでしょうか。
一昔前であれば憧れ :love: の職業であった学者やマスコミですが、今や社会不全が増大すればするほど、何の役にも立たないことが透けて見えてきたことで、もはや高校生にとっても可能性を感じられない存在になりつつあるといえるでしょう。
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