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児童虐待が増えているのはなんで?

児童養護の現場から [1] によると、児童虐待における相談件数が10年ほど前から右肩上がりに急増している事が解ります。

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※グラフ引用:児童虐待の相談件数(児童養護の現場から) [2]

※元データ:厚生労働省 平成17年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数等(平成17年度社会福祉行政業務報告(福祉行政報告例) 【平成18年10月6日公表】より抜粋) [3]

そして、直近ではこんなニュースも。

<児童養護施設>虐待増加でパンク状態、現場から悲鳴 [4]
 

◇児童養護施設 保護者がいない、育てられないなどの理由で家庭で生活できない子どもが暮らす。93年に530カ所で2万6036人だったが、現在は約3万人。虐待を受けた経験のある子が約5割に上る。

これは、やばい! どーする?

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まずこの様な状況に対して、厚生労働省 [3]でも虐待防止へ向けての指針改定等を行っている様ですが、そもそもの児童相談所の設置目的は、

市町村と適切な役割分担・連携を図りつつ、子どもに関する家庭その他からの相談に応じ、子どもが有する問題又は子どもの真のニーズ、子どもの置かれた環境の状況等を的確に捉え、個々の子どもや家庭に最も効果的な援助を行い、もって子どもの福祉を図るとともに、その権利を擁護することを目的として設置された行政機関

と定義付けられています。

う~ん、???が沢山。

目的の達成どころでは無く、最早「個々の対応」では全く持って問題解決になっていない事を、厚労省自ら露呈している状況と言えます。

ちなみに、個々を最も重視する自由の国アメリカではどーかというと、

メルクマニュアル家庭版(医学書の家庭版) [5]によると、

米国では毎年80万人以上の子供がネグレクトの被害を受け、それによって1100人前後が死亡しています。ネグレクトは身体的虐待よりも多くみられ、約3倍にのぼります。

ネグレクトや虐待は、個人的、家族的、社会的な要因が複雑に組み合わされて起こります。親がネグレクトと虐待を起こしやすい要因としては、片親である、貧困状態にある、薬物またはアルコール常用の問題を抱えている、精神障害や病気がある(人格障害、自己評価が低いなど)、などがあります。ネグレクトは貧困家庭の子供に多く、そうでない家庭の約12倍の発生率です。

米国の虐待・ネグレクト被害数の多さには驚かされます(人口比率で割っても日本の10倍!)が、貧富の差が激しい個人主義立国の実情は、そうとう病んでいる という事が解ります。

しかし一方で、貧富の差が米国ほどでは無いにしても、最近の日本では「格差社会」といった言葉をよく耳にするようになってきました。
が、日本の場合も、貧困家庭に虐待が増えているのでしょうか?どうも虐待増加の原因としてはピンときません。

今からおそよ10年前の出来事として印象に残っているのは、

1997年:山一證券等の金融機関が相次ぎ倒産 、失楽園 、神戸の小学生殺人事件
1998年:和歌山毒カレー事件 、新進党分割、小渕内閣 、「キレる若者」 😈
1999年:神奈川県警不祥事続発 、ヤマンバギャル…

この辺りから親になり始めた世代の時代背景と心象を考察してみると、次のような事が考えられます。

1.私権の崩壊(目先の利益追求の可能性崩壊)により、先行きの見通しを失う。心底での収束不全。
2.親としての自信の喪失
3.男の性嫌悪によるセックスレスの増加
4.母親の充足度の低下
5.男女共に心の不安大。目先化、自己中化の進行が始まる。

といった辺りが考えられます。

そして、現在に至るまで、状況は悪化の一途を辿っている。
社会的規範は完全に崩壊し、最早家庭単独での子育てには限界が来ている、という事なのではないでしょうか。

参考投稿「密室家庭でしか虐待は起こらない [6]

もちろん、この様な社会状況から発生する不安要因は、現在進行形の少子化の一因にもなっているでしょう。

家庭・学校・地域、といった枠組みで「子育て」を捉えるだけでは、虐待やいじめ・自殺などへの歯止めは掛けられない。

「子育て」こそ、みんな課題として捉え直し、

『男達の闘争(生産) :tikara: 』によって、『女達の生殖(充足) 』を守る

という自然の摂理に適った環境を実現する必要があるように思います。

[7] [8] [9]