小中学校の事例に繋げて高校生(大学生)の事例を分析したいと思います。
高校生のいじめ事件は、小中学生時代の事例のそれと比べ、各年代とも部活や学生寮が舞台となることが多いのが特徴的です。さらにいじめの原因も比較的はっきりしています。
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子供に関する事件・事故一覧より年代別の代表例を抜粋してみました。
《1980年代》
□いじめ自殺:1980/9/4 埼玉県川越市で工業高校の男子生徒(高1)が、学校で禁止されているパーマを注意され、14階建てマンションから飛び降り自殺。非行グループの仲間に引き入れられ、「カンパ」を強要されていたことが調査で判明。 [1]□傷害致死:1983/8/29 京都府京都市の花園大学の応援団の夏合宿で、男子部員(大1・18)が、上級生から「気合いを入れる」と竹刀や素手で殴られ脳圧迫のため死亡。 [2]
《1990年代》
□ いじめ退学:埼玉県大宮市の私立埼玉栄高校の相撲部の寮で、平塚秀樹くん(高2・16)が、同級生の部員(高2)らに就寝中ライターで手足に火をつけられたり、現金を無理やりとられるなどのいじめを繰り返し受け、登校拒否になり退学。 [4]《2000年代》
□ いじめ自殺:2000/4/28 福岡県太宰府市の高校の男子生徒(高2)が自宅の納屋で首吊り自殺。2月から5月まで、この生徒を含む知り合いの高校生3人を自宅や公園などに呼びだして殴るけるの暴行を加え現金30万円を恐喝していた容疑で、私立高校の男子生徒(高2・16-18)4人と県立高定時制の男子生徒(高2・18)を逮捕。
□いじめ自殺:2006/11/22 山形県高畠町の県立高畠高校で、女子生徒(高2・16)が、渡り廊下の屋根から飛び降り自殺。携帯電話に複数の生徒の名前をあげて、「言葉によるいじめを受けていた」との内容が残されていた。
これらの事件に共通して私が感じ取れるのは、限定された仲間集団の中で加圧された抑圧感の高さです。家庭や先生の影響力が残っている小中学時代に比べ、高校時代以上は純粋に仲間に向かっていくのだと思います。
その仲間集団の限定度が高いほど抑圧感も高くなるのだと思います。
私なんかは抑圧を感じれば部活やグループを抜ければいいと思いますが、実はそこから抜け出すのが困難なようです。
勉強なりに可能性を見いだせなかった子供たちの中では、「部活いのち」といって憚らない子も多いと聞いています。
私の娘は、「部活があってよかった。」「もしなかったら・・うちらどうしたいいか・・・わからなかったあ・・」と友達と言い合っています。
彼女らに限らず、勉強や家庭の中では他に可能性を感じる課題が見つからず、「部活」が唯一手応えが感じられる課題となっている人は多いと思います。
現在は「人の役に立ちたい!」という意識潮流がどんどん低年齢化しています。
家庭や学校の活動の中に可能性のある課題が見いだせないということ自体がおかしいことなのだと思います。
実は学校や家庭の外に目を向ければ課題はたくさんあるからです。
この「人の役に立ちたい!」という意識が、対象を限定された仲間集団から(みんな⇒)社会に向かえば、「世の中をどうする」に繋がっていくのではないでしょうか。そうなれば本当にいいなと思います。
それにはまず現実がどうなっているか考えていくことなのかなと思います。(tennsi21)