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戦後教育研究【1】

■資料① 戦後教育改革の流れの分析 ~文部科学省の政策~
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(※「文部科学省 中央教育審議会 義務教育特別部会第1回資料」をもとに編集)

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教育史を概観する題材として、戦後の教育思想(主に文部科学省、教育学者発の観念)の変遷をキーワード形式でまとめた。
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■戦後~1970年(昭和20~45)

●『人格の完成』・・・47教育基本法
教育の目的を「人格の完成」とした理由を「(戦前戦中は)個人の覚せいがなかった。この点が国を誤らせた」と説明。

●『民主・平等』・・・47学校教育法
明治以来の複線型学校制度の撤廃や男女差別の禁止等を規定、単線型6・3・3・4制の学校制度を確立。

●『系統主義』『能力主義』『教育の現代化』・・・58学習指導要領告示、68学習指導要領改訂
「今後の文教施策は何より優れた人材を早期に発見し、適切な教育を施すことが大切である」全国一斉学力テストの導入、高校入試の制度化。

●『期待される人間像』・・・66中教審答申の別記
①個人として…自由であること、個性を伸ばすこと、自己をたいせつにすること、強い意志をもつこと、畏敬の念をもつこと
②家庭人として…家庭を愛の場とすること、家庭をいこいの場とすること、家庭を教育の場とすること、開かれた家庭とすること
③社会人として…仕事に打ち込むこと、社会福祉に寄与すること、創造的であること、社会規範を重んずること
④国民として…正しい愛国心をもつこと、象徴に敬愛の念をもつこと、すぐれた国民性を伸ばすこと

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■1970年代(昭和45~54)

●『ゆとりと充実』・・・76教育課程審議会答申
①人間性豊かな児童・生徒を育てること
②ゆとりある、しかも充実した学校生活が送れるようにすること
③国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視するとともに、児童・生徒の個性や能力に応じた教育が行われるようにすること

●『ゆとりの時間』
・・・77学習指導要領
授業時間数の削減、学校裁量による「ゆとりの時間」の創設

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■1980年代(昭和55~平成1)

◆問題現象・・・家庭内暴力、校内暴力、少年非行、いじめ

●『個性主義』・・・85~87臨時教育審議会答申
①個性重視の原則 ②基礎・基本の重視 ③創造性・考える力・表現力の育成 ④選択機会の拡大 ⑤教育環境の人間化 ⑥生涯学習体系への移行 ⑦国際化への対応 ⑧情報化への対応

●『新しい学力観』『自己教育力』・・・89学習指導要領
「新しい学習指導要領は、子どもたちが人間として調和のとれた成長を遂げ、社会の変化に対応して主体的に生きていくことができるようになることを目指している」「子どもたちの学習意欲を育て、自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などを学力の基本とする学力観に立って教育を進めることが肝要である」平成6年度 我が国の文教施策(文部省)

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■1990年代(平成2~11)

●『生きる力』『ゆとり』・・・96中教審答申
「・・・いかに社会が変化しようと、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し,行動し、よりよく問題を解決する資質や能力であり、また、自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性であると考えた。たくましく生きるための健康や体力が不可欠であることは言うまでもない。我々は、こうした資質や能力を、変化の激しいこれからの社会を[生きる力]と称することとし・・・」

●『自分探し』『自己実現』・・・97 中教審答申
「教育は『自分探しの旅』を扶ける営み」であるとして、一人一人が自らに相応しい生き方を選択し、自己実現を目指す過程に的確な援助をを与えることが教育の使命であるとの基本理念。「全員一斉かつ平等に」との発想から「それぞれの個性に応じた方法、内容、仕組みを」という考え方へ転換。

●『心の教育』・・・98 中教審答申
「新しい時代を拓く心を育てるために」―次世代を育てる心を失う危機―と題された答申の中で、道徳教育の充実、カウンセリングの充実、心の居場所としての保健室、不登校と問題行動への対応について提言された。

◆問題現象・・・学級崩壊、不登校、児童虐待、凶悪犯罪、精神荒廃

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■2000年以降(平成12~)

●『家庭の教育力』『地域の教育力』・・・96中教審答申
「学校のスリム化」(家庭や地域社会に分担を求め学校の負担を軽減)、「人格形成の最終責任を負う家庭」(すべての教育の出発点)、「学校・家庭・地域社会の連携」が謳われる。

●『生きる力』『確かな学力』・・・03中教審答申
①生涯にわたって成長する意欲をもった「自己実現を目指す自立した人間の育成」
②社会生活上最低限必要な規範意識と創造的な生き方を可能とする身体能力をもった「豊かな心と健やかな体を備えた人間の育成」
③基礎を踏まえ探究心、創造力を伸ばし人類の発展に寄与する「『知』の世紀をリードする創造性に富んだ人間の育成」
④国や社会の問題を自分の課題と捉え、その解決の行動力を伴った「新しい『公共』を創造し、21世紀の国家・社会の形成に主体的に参画する日本人の育成」
⑤自国に誇りをもち尊重しつつ、他国にも敬意を忘れない「日本の伝統・文化を基盤として国際社会を生きる教養ある日本人の育成」
・・・02 確かな学力の向上のための2002アピール「学びのすすめ」

★そして現在、安倍政権主導のもと教育基本法改正の議論が行われている。

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