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中国留学生にみる国家戦略と市場拡大

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 中国の留学生がこんなに多いとは知りませんでした。
ユネスコの統計データ「2006年世界教育レポート」によると、中国は世界で国外の大学で勉強している人の数が最も多い国であり、中国人留学生数は世界の総数の14%を占めています。 また中国の留学生のほとんどはアメリカ、日本、イギリスに集中しています。共産主義・中国のことですから、留学により先進国の技術を吸収し、国家繁栄のために・・・と考えがちですが、そう簡単ではないようです。

 中国では、海外留学を国家戦略として推し進めていたそうです(各種技術を会得して帰国した人の事を、「海亀派(戻ってくるという意味)」と呼ぶそうです)。
 しかし、一方のアメリカは、世界中の頭脳をアメリカ自身の活力源とするため,外国人に労働市場を開放し,留学生がアメリカ国内で職を得て,アメリカ人と同様に昇進可能な仕組みを作り積極的に受け入れました。(参考
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/gijiroku/015/06060910.htm )
 そのため、実際は海外に留学した中国の人たちの多くは、卒業するとそのまま、給料の高い海外企業(主にアメリカ)に就職したため、優秀な人材の流出が大きな問題となっていたそうです。こうした状況に対し中国政府は、「海亀派」を貴重な人材として優遇する政策を打ち出したことと、アメリカのITバブル崩壊の影響を受けて、多くの「海亀」たちが中国に帰ってくる様になったそうです。

 こうやってみると、共産主義・中国といえども結局、国家(の戦略)と市場(の拡大=私権拡大)の関係は、昔の日本や今のアメリカとまったく同じです。私権活力では限界がある。バブルの崩壊を経験した日本だからこそ、アメリカとは違う、日本独自の外交を打ち出すべきだと思います。

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