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データーに見る日本の少子化対策のズレと根本原因

社会実情データ図録
「合計特殊出生率の推移」 [1] より

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まず最初のグラフから単純に読み取れるように、出生率は豊かさの実現と共に低下して行く、という流れは世界的な潮流と言えるだろう。よって、先進国共通で「少子化」は問題とされ、いずれも公的な少子化対策を行っている。例外として、出生率2.0以上を維持しているアメリカは、移民政策(参考:米国の将来人口推計 [3])によるものであり、階層社会の上位だけを見れば恐らく少子化傾向は変わらないと思われる。

しかし、

子供を増やす意向 [4]」についての調査データーを見ると、産まない・増やしたくない理由の一位は、各国とも「出費がかさむ」となっており、明らかに意識と現実とのズレがある事が解る。

先進国共通の傾向として、少子化の最大の原因は経済的負担とされ、日本においても少子化対策の充実が政策として重要視されているが、「少子化対策と出生率 [5]」の相関をまとめたグラフを見ると、実は殆ど相関関係が無いという結論が導き出される。

さらに、世界の人口 [6]動向を見ると解るように、今後も人口増加率は高まり、2050年には90億人を超えると推測されている。(国連の人口推定グラフ [7]

この世界的な人口爆発は、産業革命→市場拡大の始まった1900年以降に急激な増加率を見せており、貧富の格差拡大と同時に、貧しい国ほど多産多子、先進国ほど少産少死となっている事からも解るとおり、経済的負担は少子化の原因とは全く因果関係が無い事を証明している。

今後も市場拡大と共に世界的な格差が拡大し続ければ、少子化と人口爆発、という完全に矛盾を孕んだ人口問題に対する解決の糸口は絶対に見つからないだろう。

日本においても、これらの事実を元に、今後本格的に取り扱わなければならない議論の中核は、実は「福祉」という名の下で財政を圧迫し、少子・高齢化対策として無駄に消費され食い潰されていくGDP信仰の元で、毎年発行される多額の負債(国債や年金赤字)であり、

市場という仕組みそのものが破綻している現実

に目を向ける事ではないだろうか。

さらに言えば、世界的に人口バランスの調整機能を失っている事も、市場拡大と同時進行して来た共同体の解体→個人(消費者)第一の社会となったが故の集団的本能の消失であり、その最後の砦としての「密室家庭」という聖域を崩さなければ、地球全体を覆う異常事態への答えを出す事は出来ないであろう。

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